看護師がオーストラリアでアシスタントナースの資格をとるまで【体験記】

アシスタントナースの教科書

ワーキングホリデービザを利用してオーストラリアに来て、日本では決して体験することのない2年間をフルに過ごしている女性、マナさんに体験談をいただきました。

マナさんは、日本で看護師として働いた後、オーストラリアでアシスタントナースの資格を修得しました。

2年間オーストラリアに滞在できるセカンドビザを取得するために、過酷なファームでも働き、2年目はアシスタントナースとして現地で働いて実地経験を積みました。

更に、現地のレストラン数件でも働く経験を持つ強者です。

これからオーストラリアにワーキングホリデーに行くつもりの方や、今ワーキングホリデーで滞在中の人にとって、とても役に立つ情報を惜しみなくシェアしてくれました。

これからワーキングホリデーを体験する方にとっては非常にためになる、中身が濃くて、割愛できない内容なので、4回に分けてお届けします。

第1回目は、日本で看護師だったマナさんが、アシスタントナースの資格を修得するまでです。

オーストラリアでアシスタントナースの資格をとる

私がオーストラリアに来た理由

私は、日本で6年間看護師として働いていましたが、過酷な労働環境に嫌気が差していたのもあって、過去にも短期語学留学やWWOOFで何度か訪れたことのあるオーストラリアで看護師になりたいという思いが強くなり、ついには思い切って渡豪しました。

今回、ワーキングホリデーの制度を利用して渡豪する前の英語レベルはintermediateクラス(TOEIC450程度)でした。

日本の留学会社が、オーストラリアでアシスタントナース有給インターンシップを斡旋していることをインターネット上で知り、応募しました。

オーストラリアで看護師になりたいという思いはあったものの、日本で看護師の働く姿を見て、看護師になろうと幼い頃から抱いていた夢を叶えるべく看護師になった私は、オーストラリアの看護師の姿を現場で見ずしてそこまでの覚悟を持つことが出来なかったのです。

そこで、実際に働いて、現場をこの目で見てから本当にオーストラリアで看護師になるのかを決めようというのが、この有給インターンシップに参加した一つの理由です。

オーストラリアで看護師になるには

オーストラリアで看護師になることについて、まず一番気にかけていたのが学費です。

インターネットでオーストラリアの看護師になるための過程を日本から調べたところ、日本や海外先進国の看護師免許証保有者向けの転向者コースがあるオーストラリア国内の大学の学費が2年間で600万円ほどで、オーストラリア国内の大学で一から勉強するためには3年間で700万円ほどの学費がかかります。

さらに大学の募集要項にある入学時IELTS6.5以上に満たない場合にかかる語学学校費用等の費用も含め、膨大な費用がかかるので、それを捻出するには、相当な労力が必要です。

また、物価の高いオーストラリアで生きていくには相当なお金が必要で、果たしてオーストラリアで看護師になれたとしても、学費を返済できるほどの収入は見込めるのかという、先の見えないことへの投資の覚悟が必要です。

今までの経験からの看護倫理、看護観を全て白紙に戻して、純粋にオーストラリアでの医療や看護を学ぶことへの覚悟も必要でしょう。

多民族国家ならではの宗教や倫理観の違いは医療に大きく影響することは明らかで、今まで日本で自分が正しいと思っていた考え方ややり方が、オーストラリアで必ずしも受け入れてもらえるとは思えず、現場での葛藤、無力感、屈辱などに対する覚悟も必要だと思っていました。

また、オーストラリアで提供されている医療レベルについても実際にどの程度か分からず、決して低くはない医療水準の日本を飛び出して、時間とお金を掛けて新たに看護学を勉強し直す対価があるのかどうかもわかりませんでした。

私にとってインターンシップは、これらを確認できるよい機会だったのです。

オーストラリアでアシスタントナース(AIN)になる

オーストラリアでアシスタントナースになるには、専門のカレッジに行き、Certificateという認定を取る必要があります。

私が実際に通ったコースはCertificatelll でした。シドニー市内の指定された語学学校へ3ヶ月弱通い、決められたカレッジへ座学と実習合わせて約2ヶ月通う、いわばパッケージコースです。

通常、Certificatelll のAIN(Assistant in nursing)コースはカレッジだけで6ヶ月程通うそうですが、日本での1年以上の正看護師資格を保有していることを条件に、そのパッケージコースを申し込むことができたので、通常よりは時間数を省略してあったようです。

アシスタント・ナース資格編あとがき

以下は、当サイト管理者のコメントです。

オーストラリアで医療や福祉に携わりたいという日本人の方は少なくなく、日本人で看護師やアシスタントナースとして活躍されている方たちもいらっしゃいます。

これから、オーストラリアで看護師として働きたいという方にとってもマナさんの体験談は非常に役立つ情報となることでしょう。

実際にマナさんがアシスタントナースとして、医療現場で働いた体験談は第4話でお届けします。

次、第2話はセカンドビザ取得のためのファーム体験談です。

そして、第3話はシドニーのレストランでのローカルジョブ体験談です。

どちらも読んでいて目頭が熱くなるような中身の濃い内容です。

マナさん体験記一覧:
QLD州バンダバーグとカブルチャーのファームジョブ
シドニーでの仕事探しとレストランでのローカルジョブ
オーストラリアでアシスタントナースとして働く

  • B!