シドニーでの仕事探しとレストランでのローカルジョブ【ワーキングホリデー体験記】

ワーキングホリデービザを利用して渡豪したマナさんのオーストラリア体験記第3弾は、シドニーでの仕事探しとレストランでのローカルジョブ体験についてです。

これまで、オーストラリアでアシスタントナースの資格を修得するまで、そして、セカンドビザを取るためのファーム労働についての貴重な体験をわたしたちとシェアしてくれたマナさんですが、今回も、辛い体験を乗り越えた中身の濃ーい内容となっています。

ファーム労働を終えてシドニーへ戻る

一年目のビザの残りが2ヶ月の時点で、シドニーへ戻りました。

懐かしい都会の雰囲気を感じているのもつかの間、家探し、そして、仕事探しを始めました。

未だ、ファームから帰ってきたばかりでセカンドビザが取れていない時点では、アシスタントナース(以下AIN)として働くにも雇ってくれるところは無く、『残り二ヶ月のビザでは雇えない(雇いたくない)、セカンドを取ったらまた面接に来て。』と言われてしまいました。

私は、クリスマスと年越し前後1ヶ月半を含む3ヶ月を日本で過ごし、その間に日本からセカンド申請をすることを計画していたので、面接時にビザ書類提示を必要としない仕事先を選ぶしかありませんでした。

今までのファーム探しの経験から、中々仕事なんて見つからないだろうと思っていた私は、学生時代に経験したことのあるウエイトレスの仕事を見つけては、所構わずメールで履歴書を送ったり、直接配り歩きました。

電話やメール、履歴書の配布時に次々と仕事のオファーをもらい、1箇所目は改装中のイタリアンレストランから、2箇所目はレバニーズレストランから、3箇所目はベトナム料理屋からでした。

シドニーで働く

うまいこと曜日でシフトを組み、昼も夜も働きました。問題が各所で起こるまでは…

レバニーズレストラン

レバニーズレストランは『君はカジュアル契約だから、電話した時だけ来て。勤務開始時刻も終了も、その日その時になってみないと分からないから聞いても無駄だよ。』と言われました。

私以外のスタッフは皆レバノン人だったので、甘く見られたのか、時給は皆より$6低く、指定のエプロンは貰えず、お金を触る仕事は一切させてもらえませんでした。

トレーニングも他の皆は6時間有給だったのにも関わらず、私は2日間の計16時間無給という扱いでした。

終電を逃し、電車で片道40分のところをバスを乗り継ぎ2時間かけて家まで帰ったこともありました。

終電のこともあるから、事前に何時に仕事をあがれるか教えて欲しいとお願いしても『レストランは客が帰らないと閉められないのに、ふざけたこと言うな。』と言われ、時給が皆と同等でないことについては、『君は皿をいっぺんに4枚運べないのと、タバコが吸えないことを理由に水タバコのセットが出来ないからだ。』と言われました。

私は知っていました。全くウエイトレス経験の無い、両手で一つの皿を運ぶレバノン人のウエイトレスさえも、皆と同等の時給を貰っていることを。

その後、レバノンレストランからは音沙汰が無くなりました。

もうこれ以上働く気にもならなかった私は、給料を何月何日何時に貰いに行くからと事前に電話で連絡し、了承の返事を貰ったのにも関わらず、いざ出向くと給料管理担当がいないから今日は給料が払えないということを2回も繰り返されました。

それに我慢が出来なかった私は、店の中で数人の客がいるにも関わらず、大声で『いい加減にしろ、金も払わず人を使うなんて最低!時給だって皆より低いことも知ってて働いてやってたのに!!!』と言うと、周りの客はギョッとし、オーナーに店の裏へ連れて行かれ、給料の入った封筒を叩きつけられました。パラマタにある、アル◯ーニレストランでの話です。

ベトナム料理レストラン

そして、ベトナム料理屋での仕事も1週間が経った頃、お客さんだと思って対応した人が、保健所の監査員で、突如店内をインスペクション(立ち入り調査)したいと言い始めました。

運悪くオーナー夫妻は不在で、ウエイトレスは私一人、キッチンにはコックが一人という状況でした。コックから、キッチン内のまな板の上に無造作に置いてある使いかけの鶏肉の塊や、段ボールに詰まったB級品以下の萎びた野菜を全て冷蔵庫に仕舞うように言われました。

監査員はダイニングの衛生環境からチェックし始め、キッチンの中、冷蔵庫の中、フライヤー、隠しておいた使いかけの鶏肉や、萎びた腐りかけの野菜などくまなくチェックしていき、監査結果はもちろん不合格。一週間以内に状況改善されなければ営業停止命令とのことでした。

コックが慌ててオーナー夫妻に連絡すると、オーナーの妻が私に『あなたが綺麗にしておかないからこういうことになった。給料泥棒!今からキッチンの中を一人で掃除して!』と怒鳴られました。

『私はウエイトレスとしてカトラリーやグラスを磨いたり、賞味期限切れのソフトドリンクが無いかチェックしたり、ダイニングの衛生に関してできるところはやっていたけれど、キッチンは私の持ち場ではない。換気扇の掃除も水回りの掃除も私の仕事ではないし、そもそも私が来る前からこの状況だったのにも関わらず、言い訳がひどい。』というと、『今すぐ辞めろ!』と言われたので『給料は明日取りに来るから。』とだけ言って辞めました。

イタリアンレストラン

イタリアンレストランは改装が遅れているため、開店は1ヶ月くらい先になるだろうと言われました。

ベトナム料理屋での一件があった後、ビザが1ヶ月を切った頃に、1箇所目のイタリアンレストランから再度開店の連絡があり、定休日以外の週6日働いてほしいとのことだったので、そこでお世話になることにしました。

ビザの残りの期間を隠していたので、仕事が楽しくなればなるほど、心苦しかったのを覚えています。

さいごに

マナさんのワーキングホリデー、第3話はシドニーでの仕事探しとレストランでのローカルジョブの貴重な体験談でした。

ネット上の求人に申し込むだけでなく、飛び込みで直接店に履歴書を配り歩くなど、仕事探しにも相当の努力をしたことがうかがえます。

給料や待遇のトラブルなども体験して、さぞ辛かったことでしょう。それでも、数々のしんどい経験を乗り越えて、オーストラリアで明るく前向きに生きているマナさんのバイタリティーには脱帽します。

次回、最終話はマナさんが医療現場でアシスタントナースとして働いた体験談です。

マナさん体験記一覧:
看護師がオーストラリアでアシスタントナースの資格をとるまで
QLD州バンダバーグとカブルチャーのファームジョブ
オーストラリアでアシスタントナースとして働く

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