オーストラリアで車を買う方法は、基本的には2つあります。一つは、ディーラーから買うこと、そして、もう一つは個人所有者から買うことです。
ディーラーから買う
ディーラーは、売る車に負債や問題が無い状態で売ることが義務づけられています。数か月以内に壊れた際の保証も含まれている場合が多く、無くても大抵は有料で付けることができます。買った後、すぐに問題がある場合は、保証の有無に関わらず、ディーラーに持っていけば直してくれます。こういう点が個人から買う場合と違い、安心できるところだと言えます。
ディーラーは、新車と中古車を扱う、メーカーの正規ディーラーと、中古車専門ディーラーがあります。殆どの中古車ディーラーは、ウェブサイトを持ち、クラシファイドやeBay等のサイトに広告を出していますので、サイトでお目当ての車を検索してから見に行くといいでしょう。これらサイトの情報は記事下にまとめてあります。
ディーラーで、お気に入りの車が見つかったら、テストドライブ(test drive)をしましょう。ディーラーのカーヤードの周りを数分間走行して、加速や、ギアのつながり具合、ブレーキ、ステアリング、サスペンションなどの走行面はもちろん、ボンネットを開けて、エンジンのオイル漏れや目視で確認できるダメージが無いかもよく見ましょう。また、電気系統がおかしかったり、エアコン(特にクーラー)が聞かない車が良くあるので、チェックしましょう。エアコンのクーラーが効かないときは、買う前に言えばガスを入れるなどの対処をしてくれるディーラーも多いです。
ディーラー中古車でも、市場価格よりかなり安いものには注意が必要です。テストドライブした時は大丈夫でも、数か月で故障したりするケースもよく聞きます。ディーラーだからと安心せずに買う前にしっかりチェックすることをおすすめします。
自分では何をチェックしたらいいかわからない場合は、プロに頼むのも手です。また、オンラインで可能な車のヒストリーチェック(過去履歴チェック)をしておくと安心です。詳しくは以下の項「中古車のヒストリーチェック」をご覧ください。
個人から買う
個人から中古車を買う場合もやはり、ディーラーが広告を出しているクラシファイドやeBay等のサイトを見て探すのが一番簡単な方法です。車の広告が個人の物かディーラーの物かは、広告を見ればわかります。
サイトで見つけたお目当ての車が個人のものならば、サイトのメッセージを使ってコンタクトするか、直接電話番号があれば、電話かテキストメッセージを送るのがいいでしょう。いきなり電話するより、最初はテキストメッセージを送って車が未だ売れていないか確認するのがいいでしょう。
連絡が取れて、車を見せてもらえることになったら、車のある場所の住所を聞いて車を見せてもらいに行きます。その際はテストドライブをさせてもらってください。確認することは、上記のディーラーの場合と一緒です。
また、ディーラーが売る車には少ないですが、個人が売る車には、特に価格が安いものには、次回の車検に影響するような不具合が直されていないまま売られるケースがあります。以下の状態だと車検は通りませんので、確認しましょう。
車検が通らない欠陥
ボディーやシャーシ(車の下部の枠組み)にサビがある、窓ガラスにヒビや欠けがある、前部シートに穴が開いて中のスプリングが見えている、タイヤの山が残っていない、排気管(マフラー)に穴が開いている、ブレーキの利きが悪い等
また、何か問題や、近いうちに修理が必要にならないかを聞くのもいいでしょう。正直な人は、既に広告に書いていたり、きちんと話してくれます。
個人売買の方がディーラーよりも安いケースがほとんどですが、平均に比べてあまりにも安い場合は、なにか問題があるかもしれません。下にリストアップした、いくつかのサイトの広告で同じ車を比べると平均より安いかどうかがわかります。
車検が直ぐ先で、車検前に直さなければならない箇所がある車などは、安くなっていることが多いです。平均より安くても、修理にそれ以上のお金がかかるかもしれませんので、何かおかしいぞと感じたら、取りあえずはやめておいた方がいいかもしれません。
自分では何をチェックしたらいいかわからない場合は、プロに頼むのも手です。また、オンラインで可能な車のヒストリーチェック(過去履歴チェック)をしておくと安心です。詳しくは次の項「中古車のヒストリーチェック」をご覧ください。
中古車のヒストリーチェック
車のメカのことは全く知識がなく、自分では何をチェックしたらよいか全くわからないという人は、車を自分で整備したりできる知り合いがいれば、車を見る時についてきてもらいましょう。頼める人がいない場合は、プロに頼むという手もあります。プロが購入前のチェックをしてくれるサービスがあり、「Pre Purchase Inspection」と呼ばれています。
Pre Purchase Inspectionを頼むのにかかる費用は約$200~$400で、車種や年式によって違います。ロードサービス大手のNRMAなどがサービスを提供しています。
買うかどうかわからない車にそこまで費用を支払うのはちょっとという人も、中古車を買う前にやっておいた方がいいのが、ヒストリーチェックです。中古車を下取りするディーラーもやっている、登録番号(ナンバープレート)でその車両の過去の履歴が全てわかるサービスです。
各州の政府機関により、無料のチェックも提供されていますが、調べられるのは車が現行で法的に登録内容を満たしたものであるかどうかと過去の登録歴だけです。NSW州でしたら、Service NSWのサイトにレジストレーションナンバー(ナンバープレート)を入力すればチェックができるサービスがあります。無料でチェックできるのは、レジストレーション(車検)が有効かどうかと有効期限、現行のレジストレーションに制限や条件が課されていないか、そして、強制保険の有効期限です。他州政府が提供する同等のサービスについては、サービスNSWのサイトに行けばリンクがあります。
しかしながら、これだけでは、車に事故歴や怪しい過去があるかはわかりません。そこでおすすめするのが、CarHistoryという、総合的にヒストリーチェックをしてくれる有料サービスです。これさえすれば、他のヒストリーチェックは必要ありません。
CarHistoryは、車両に関する以下を含む情報を一括してレポートにしてくれます。
CarHistoryのレポート内容
車に対して未払いの借金があるか、走行距離数に改ざんはないか、適正な車の価値はいくらか、登録取り消しの過去は無いか、盗難履歴は無いか、洪水によるダメージはないか、過去の売買履歴など
料金は、わずか$36.95で、オンラインでナンバープレートの番号(Registration Number)、または、車両登録番号(VIN)を入力するだけで、簡単に数分でレポートを入手できるおすすめのサービスです。
CarHistoryのサイトにサンプルのレポートがありますので、どこまで詳細にわたるチェックがされるのかを知る参考にしてください。
このチェックで問題なかったからといって、購入後に故障しないとは限らないですが、購入する前にその車に黒い過去がないかがわかり、売り手が説明していることが本当かどうかを確かめる指標を得ることができる、利用価値の大きいサービスです。見た目ではわからなかった、走行距離をごまかした車や洪水被害に遭った過去がある車を買わされる詐欺に合わずに済んだという利用者の声も挙がっています。
中古車事情一般
中古車市場で売られている車の程度は日本に比べるとかなり劣ると言えるでしょう。オーストラリアでは長距離を移動することが多いので、10万キロ超えの中古車はざらです。5万キロ超え、10万キロ未満ならば、“LOW KILOMETERS”(低走行距離)として売られています。10万キロ超えでも、整備されている車なら問題なく走ります。
特に日本車は丈夫です。日本車は他国産の車に比べて、同クラス、同年式、同走行距離なら割高です。年式が古い車になるほどその差が顕著に現れます。日本車はここオーストラリアでは故障が少ないことで定評があります。
古い車だと慢性的なオイル漏れがあったりします。ダダ漏れで走行中になくなると言うことは無くても、数週間に一回はつぎ足ししないとレベルが基準より下がると言う車はよくあります。10万キロ以上走っている車は、ディップスティックでオイルレベルをまめに確認することをお勧めします。また、オイルはまめに交換しないと燃費にも車の調子にも影響します。
また、ロードサービスは入っておくほうがいいでしょう。ロードサービスについては、別記事、オーストラリアで車を持つのにかかる費用で説明していますのでそちらをご覧ください。
オーストラリアの車探しのサイト
言わずと知れたオークションサイトのeBayです。eBayには、オークション価格の物と、一定価格の物が一緒にリスティングされています。中古車もディーラーの物と個人の物がたくさん出品されていますのでチェックしてみて下さい。オークションの車は、大抵の場合、締め切り日前に下見できますので、気に入った車があったら出展者に確認してください。eBay Australiaについて詳しくはこちら。
www.ebay.com.au
CarSalesは、オーストラリアでも有名な車探しサイトで、中古車のレビュー記事なども載っていますので参考になるでしょう。価格や車のタイプ、車種などを絞って検索ができるので、どんな車がどのような金額で買えるかをリサーチするのにも使えます。
Gumtreeは、もっとも有名な大手のクラシファイドサイトです。"Gumtree Cars"という車専門のセクションが設けられており、車種、価格帯、地域を選んで検索できるようになっています。車だけでなく、あらゆるものがリストされています。私は、頻繁にこのクラシファイドを使って物の売り買いをしています。
www.gumtree.com.au
Trading Postは、長年多くの人達に利用されているクラシファイドです。こちらも、"Cars"のタブから、車種、価格帯、地域を選んで検索できるようになっています。Gumtreeと比べると、リストされている件数は劣ります。
www.tradingpost.com.au
CarsGuideは、AutotraderとGumtreeと連動した中古車の広告を扱うサイトです。CarsGuideにはたくさんのディーラー中古車が掲載されています。Autotraderと連動しており、両サイトに掲載されている中古車はほぼ同じです。ディーラーがCarsGuideに掲載すると、Gumtreeにも連動した掲載するオプションもあるので、CarsGuideとAutotraderに開催されているディーラー中古車が、Gumtreeにも掲載されていることはよくあります。
日本語で買える中古車サイト
初めて暮らすオーストラリアで中古車を探すのは手間のかかる作業です。車のことも詳しくなく、見に行った中古車の程度を自分で見極めることはとてもじゃないけどできないので、個人から中古車を買うのは不安だという声はよく聞きます。ディーラーの扱う中古車でも直ぐに故障して修理代がかさんでしまうという話もよくあります。
車を初めて購入する日本人の方から、「安心して買えるおすすめのディーラーは知りませんか?」という質問を良く受けます。安心して程度のよい中古車を購入できるおすすめの業者は、Roundabout Australiaという、シドニーを拠点とする日本人が運営スタッフの会社です。Roundabout Australiaは、日本の正規ディーラーから整備をしっかりした中古車のみを輸入して販売する業者です。もちろん、全て日本語で取引が可能ですので、オーストラリアに来たばかりで事情がよくわからない方も安心して利用できます。
3か月から、車を格安で借りて利用できる、サブスクのサービスも提供していますので、取りあえず車が必要というニーズにもこたえてくれます。
Roundabout Australiaのサイトのコンタクトフォームは英語ですが、メッセージを日本語で入力して問い合わせれば日本語で返信してくれます。
さいごに
以上、オーストラリアでの車の買い方と車を購入できるサイトについて紹介しました。
中古車を買った後には、所有者登録内容の変更手続きが必要になります。強制保険は車検についていますが、対人対物の任意保険に追加で加入することも、車購入の際の検討事項となるでしょう。また、車検の残期間が少ないものについては、車検更新も必要になります。
中古車を買うのには色々と手間が掛かり、面倒だという方は、車検も保険も、そして、整備も自分で手配する必要がなく、月々一定の利用料金に含まれているサブスク(サブスクリプション)のサービスを利用するのをおすすめします。サブスクはリースとほぼ同じで、契約した期間、車を自分のものとして利用できるサービスですが、サブスクの方が最低利用期間が短くてフレキシブルだったり、直ぐに解約できたりと自由度が高いのが特徴です。
サブスクは安いもので、週$200台前後から、月だと$800くらいから利用できます。サブスクの車両は整備されており、装備も充実したきれいなものがほとんどですので安心して乗ることができます。1年間くらい利用する車をお探しなら、中古車を購入するよりもサブスクの方がいいかも知れません。オーストラリアに来たばかりで、直ぐに車を使いたいという方にも、レンタカーより大幅に安いサブスクは強い味方になるでしょう。
また、サブスクはUBERドライバーで稼いでいる人たちにも利用されており、オーストラリアでは利用者が多いサービスです。上記で紹介した、日本人対応の中古車業者、Roundabout Australiaでも燃費のいいハイブリッド車のサブスクを提供しています。
サブスクについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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