シドニーから南へ車で5時間ちょっと走ると、冬はスキー場で有名なSnowy Mountains(スノーウィー・マウンテンズ)の中心都市、Jindabyne(ジンダバイン)にたどり着きます。
スノーウィー・マウンテンズの中心都市として宿泊施設が集まっている美しい湖畔の都市がジンダバインです。私たちはここに数日宿泊してスキーとスノーボードを楽しみました。ジンダバインはこちらの記事で紹介しています。
ジンダバイン周辺のKosciuszko National Park(コジオスコ国立公園)内には3箇所のスキー場があります。Perisher(ペリッシャ―)、Charlotte Pass(シャーロット・パス)、Thredbo(スレドボ)です。私たちはこのうちの2箇所、ペリッシャ―とシャーロット・パスを体験してきました。
この記事ではペリッシャ―についてレポートします。シャーロット・パスは、ペリッシャ―の駐車場横にあるターミナルから特別雪上車で40分ほどの場所にありますが、シャーロット・パスについてはこちらの記事をご覧ください。
Perisher(ペリッシャ―)とは
Perisher(ペリッシャ―)は、47基のリフトを備えるオーストラリア最大のスキーリゾートであり、4つの山から成り立っています。ペリッシャ―は広すぎてとても一日で全てのコースを滑りきることは出来ません。
スキー場中央のメインのゲレンデから見て西側が、Mt Perisher(マウント・ペリッシャ―)で、スキー場内で最も高い標高2034mまでリフトで行くことが出来ます。
北東側の奥の山、Mt Blue Cow(マウント・ブルーカウ)まで行くと、人も少なく、壮大な景色を楽しみながら滑ることが出来ます。
Smiggin Holes(スミギン・ホールズ)は、ペリッシャ―の東側に位置するエリアで、一見独立した別の小さなスキー場のように見えますが、ペリッシャ―の一部で、他のエリアと行き来できます。
急斜面やデコボコとしたコースも多いですが、なだらかで簡単なコースも選んで滑ることが出来ます。緑色のラインが初心者にもやさしいなだらかな傾斜のコースです。滑る前に。マップを見てあらかじめコースのリサーチをしておくことをお薦めします。
フリースタイルでスキーやスノーボードを楽しみたい経験者の為に、スノーパークも充実しており、スキー場内に6カ所もあります。
スキー場内にはレストランが7箇所点在しており、ランチ時はどこも混み合います。2020年は、コロナの影響でレストランへの入場は人数制限のため並んで待ちました。
また、スキー場中央のメインのゲレンデ正面にあるPerisher Centre(ペリッシャ―・センター)内にはキッズ用の遊び場がありますが、2020年はクローズしていました。代わりに、小さなお子様連れ用に、5組程しか入れない静かな部屋が提供されていました。
スキー場中央のメインのゲレンデ正面にあるペリッシャ―・センター前にも、初心者用のベルトコンベアがあります。ペリッシャー・センター横の駐車場の東側には、Tube Town(チューブタウン)という、大きなタイヤチューブのようなソリ滑りを楽しめる子供向けの施設がありますが、2020年はコロナ対策の為に閉鎖されていました。
スミギン・ホールズは、家族向けで、レストランの窓ガラスからスキー場を見渡すことが出来、家族連れにとても適した場所でした。チェアリフトが、1つしかなく、他はTバーリフトなどが5つあり、14コース程の小さいエリアですが、一日滑るには十分な大きさでした。初心者用に二つのベルトコンベアーがあり、リフトを使わずになだらかな斜面を楽しむこともできます。
スミギン・ホールズは、人も少なめで、この日は雪質も良くて、大変滑りやすかったです。スノーボーダーのコースとしてお薦めなのがWood Runというコースです。
スミギン・ホールズはSmiggins Hotelというホテルが併設されており、ホテル宿泊者専用のレストランや休憩所が素晴らしく、余裕があれば宿泊するとよりペリッシャ―を楽しめるでしょう。
2020年のリフト券は、7月のピーク時で大人が一日175ドル、子供が95ドルでした。リフト券とは別にリフトにアクセスするカード代として、1人につき5ドルが掛かります。コロナの為、リフト券はかなり前にオンラインで購入しなければならず、リフト券の情報が入ったカードは郵送で届くシステムになっていました。郵送代として、5ドルが別途かかりました。
Perisher(ペリッシャ―)への行き方
Jindabyne(ジンダバイン)から車で30分程、距離にして34km走ったKosciuszko National Park(コジオスコ国立公園)内の山の上にPerisher(ペリッシャ―)があります。
ジンダバインまでは、シドニーからオーストラリアの首都キャンベラを経由して、車で約5時間半くらい、距離にして約460kmです。シドニーからキャンベラまでは最短ルートで3時間強で距離にして約290km、キャンベラからジンダバインまでは、2時間強で距離にして約170kmです。
ペリッシャ―に近づくにつれ、オーストラリアにいるとは思えない雪景色が広がって来て、そこは全くの別世界となります。こちらは、ペリッシャーまでの道のりを撮影した動画(約10分間)です。
Kosciuszko Road(コジオスコ・ロード)を進んでいくだけですので道順は簡単ですが、積雪時の雪道運転には注意が必要です。
私たちが行った時、前日に大雪が降り、雪が未だ路上に残っていた日がありました。タイヤにチェーンを穿くまででは無かったのですが、運転は慎重になり、ジンダバインからペリッシャ―到着まで40分程掛かりました。
また、国立公園内を走る2駆車は、タイヤチェーン携帯が義務付けられています。タイヤチェーンはジンダバインの街中でレンタルすることができます。数日間でしたら買うよりも借りた方が安いです。
私たちは後輪駆動2駆車の8シーターワゴンで行きました。車体が重くて雪道に弱い後輪駆動車でしたが、一応スタッドレスタイヤを穿いていました。あいにくチェーンが必要なほどの雪道を走らずに済んだので運転は楽でした。知り合いは、スタッドレスタイヤでない2駆車でしたが、ペリッシャーまで問題なくドライブしていました。
国立公園入場料は、車1台当たり一日につき$29(2020年度スキーシーズン料金)でした。入場する都度、途中の料金所で支払います。
駐車場は、手前のSmiggin Holes(スミギン・ホールズ)とメインのPerisher Valley(ペリッシャ―・バレー)の2箇所にあります。
Smiggin Holes(スミギン・ホールズ)の駐車場はSmiggins Hotel(スミギンズ・ホテル)が目印、Perisher Valley(ペリッシャ―・バレー)の駐車場は、Perisher Centre(ペリッシャー・センター)とSkitube Terminal(スキーチューブ・ターミナル)が目印です。ちなみに、駐車場は無料です。
また、ジンダバインから車で約20分、距離にして約20kmの標高が低いBullocks Flat(ブロックス・フラット)からペリッシャーの駐車場横のSkitube Terminal(スキーチューブ・ターミナル)までSkiTube(スキーチューブ)という山の中のトンネルを通る鉄道が走っています。料金は自動車で行くよりも高くなりますが、雪山の道で車を運転したくないならば、こちらを利用できます。
https://www.perisher.com.au/
スキー・スノーボード道具などの手配・レンタル
今回、オーストラリアに来て初めてのスキー旅行で、道具も持っていなかったので、ジンダバインでレンタルしました。「毎年冬にスキーに行くわけでもないし、道具を一式揃えるのはちょっと」という方や、「日本に道具はあるけど、送るには送料が掛かるし」という方にもおすすめです、
スキー場で借りるとかなり割高になりますが、ジンダバインの街中にたくさんあるレンタルショップで借りれば、道具一式一日数十ドルで借りることが可能です。
私たちが借りたのは、Monster Depot Ski HireというショップのGroupon(グルーポン)特別クーポンで、100ドル分のレンタルを55ドルで済ませることが出来ました。リサーチした中で一番安くて、スタッフも親切で、道具も一流ブランドの最近のモデル(サロモンやバートンなど)で大満足でした。
グルーポンのMonster Depot Ski Hireのページはこちらです。
グルーポンについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。グルーポンのサイトで検索ボックスに「snowy mountains」と入力すると、Monster Depot Ski Hireのレンタル割引クーポンの他にも、スキーリゾートの格安パッケージなどもご覧いただけます。
ウェアやグローブ、ゴーグルなどは、eBayや大型スポーツ用品・アウトドア用品店のDecathlonで買うと安くてお得です。
車のタイヤチェーンも、ジンダバインの街中でレンタルしました。BPのガソリンスタンドに併設されたBoss Outdoor Sports(BP SKIHIRE)というレンタルショップで借りましたが、スタッフが親切に取り付け方まで教えてくれました。料金は3日間で50ドル以下でした。使用する前日夜にピックアップ可能で、3日間過ぎても翌朝10時までに返却すれば超過料金は取られません。購入すると小型車用が安くても100ドル以上、大型車だと200ドル以上掛かりますので、何度も使う予定が無ければレンタルで十分です。
さいごに
今迄、雪のイメージがないオーストラリアで、「スキー場といってもどうせ人工雪でベッタベタの最悪のコンディションだろうから、わざわざ行かなくてもいいでしょ…」と思っていた私ですが、それは全くの間違いでした。
オーストラリアでも、世界レベルの施設が整ったスキー場で、雪質も良くて、十分にスキーやスノーボードを楽しめることがわかりました。是非また行きたいと思いました。
ただ、シーズンを通してコンスタントに十分な雪が降ることは保証できませんので、シーズン初めの6月とかは避けた方がいいかも知れません。
私たちが訪れたのは7月中旬でしたが、到着日にブリザードに見舞われて、道路が数時間にわたって閉鎖となり、ジンダバインにたどり着く20kmほど手前で、5時間ほど足止めをくらいました。道路が開通した後も、雪が路上に残る状態でしたが、タイヤチェーンなしでジンダバインまでたどり着くことが出来ました。このブリザードのおかげで、70㎝ほどの新雪が積もり、滞在中は最高の雪質で滑りを楽しむことが出来ました。
2020年はコロナで海外はおろか、州外から来る人もいませんが、通常時はわざわざ海外からペリッシャーに来る旅行者もいるそうです。まだの方は、オーストラリアでスキーリゾートを体験することをおすすめします。
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