ワーキングホリデービザでオーストラリアに来たアイさん(女性)の、ファームでピッキングをした体験記を2回に分けてお届けしています。
前編はクイーンズランド州のAyr(エア)でのファーム体験談でしたが、後編はタスマニアのチェリーピッキングの貴重な体験、そして、お友達から聞いたファームでの色々な体験や労働環境などの役立つ情報をいっぱい話してくれました。
タスマニアのホバート入り
タスマニアのチェリーファームは稼げると、先に行った人達から聞いていたので、ワーホリでオーストラリアに来た当初から行きたかったのですが、チェリーシーズンにタイミングが合わなかったので、セカンドビザを取ったあとのワーホリ2年目に行くことになりました。
シドニーで年末年始の壮大な花火を見たあと、1月1日の航空便でホバートへ移動しました。
宿を事前に取らずに行ったら、ピークシーズンでどこも空いてなくてやっとのことで泊まれるバッパー宿を1件見つけました。それでも部屋は空いていなくて、テントサイトしかないと言われたので、急遽テントを買いに行きました。
大型量販店K-mart(ケーマート)で3-4人まで寝られるテントが$34でした。寝袋も$19、枕とかの快適キャンプグッズを色々買っても、セットで$100以下に収まりました。
テントサイトの料金は1週間$70でした。バッパーの部屋は、8-10人共用で1週間$165なので、自分だけのオウンルームのテントの方が快適で1週間以上の滞在ならば、料金的にもよりお得です。
日本では全くアウトドア派ではないし、テントも立てたことが無かった私が、初めてのテント生活を経験しました。テント設置は周りの人が手伝ってくれました。意外と簡単でした。
この時期のタスマニアは夜8時過ぎまで明るいです。ファームの仕事は朝起きるのも早いのでテント内の電灯はほとんど必要なく、持っていた携帯用のLEDライトで十分事足りました。夜トイレに行くときは、このLEDライトが活躍しました。
ここでは、ホットシャワーは7分で$1だったので、7分以内にシャワーを済ませるのに急いでシャンプーしました。7分を過ぎると水になってしまいます。
水シャワーはお金が掛からないので、$1もケチって、水シャワーで済ます男子たちもいました。
夏とはいえ、テントで過ごす夜は寒いので暖かくして寝ないと風邪をひきます。
しかし、夜の星空はすごくきれいでした。驚くほど美しい星空に、夜起きて、はなれのトイレに行くのも苦じゃありませんでした。
ホバートは街なのにこんなに星空がきれいなんて、もっと田舎に行ったらもっときれいなんだろうなと思いました。流れ星って、こんなにたくさん流れていくものなんだなーって、感動しました。
チェリーファーム
チェリーの収穫の仕事は人気があるので、10-11月くらいからタスマニア入りしてシーズンが来る迄のあいだ他のピッキングの仕事をしながら待つという人達が多いです。
私がタスマニア入りしたのは、1月1日でしたが、来るのが遅すぎたということに気づきました。ファームにメールしたら「君は来るのが遅すぎる」と言われましたが、「出来るだけなんとか助けられるようにする」と言ってくれました。
着いてから2日間はやることがなく、テントの宿で待つことになりましたが、3日目に仕事がもらえて、チェリーファームに行くことになりました。
しかも、最初からラッキーなことに内勤のパッキングの仕事がもらえました。中は冷房がガンガン効いていて冷蔵庫の中にいるようですごく寒かったです。
長いコンベヤをひたすら流れてくるチェリーを3種類(1級、2級、ゴミ)に選別してパッキングする作業を与えられました。1つのコンベヤに6人くらいの作業者がいて選別していきます。
皆チェリーをつまみ食いしながらやったりしていて、朝食を食べないで来て、朝食代わりにチェリーを食べている人もいました。
夏休み期間にバイトしにきているホバート大学に通う中国からの留学生がたくさんいました。皆自由で陽気に働いていて、学校みたいで楽しい職場でした。
チェリーシーズンは4週間位しかないので、ここに滞在したのは5週間弱でした。チェリーファームで実際働いたのは4週間ちょっとで、$5000稼ぎました。
チェリーは稼げることで有名でピッキングの中でも人気があります。
色々なファームの仕事
私の行っていないファームに行った友達は、Capsicum(カプシカム)のピッキング等で稼いだらしく、1年半で、日本円で300万円相当のお金を貯めたと言っていました。ファームはきちんとしたローカル水準の給料を出してくれるので頑張れば稼げます。
マンゴーの仕事もシーズンは短いですがとても稼げるらしく、出来高制で1日に5万円稼いだドイツ人もいると聞きました。ただ、ほとんどのアジア人はマンゴーで肌がかぶれてしまうため出来ないと言います。
日本人は頑張り屋で粘り強いけれども、フィジカル的に強いヨーロッパ人には劣るので、アジア人の労働者を取るのを避けるファームもあるそうです。
茄子ファームはピッキングの中で一番過酷で辛いと聞きました。男性しか雇わず、茄子ファームで認められたというと、その世界では名誉賞みたいなものらしいです。取る時に白い虫みたいなのが飛ぶらしく、眼鏡やマスクの完全防備が必要らしいです。
ファームにも当たりはずれがあり、給料を持ち逃げされたり、働いた日数を書類に書いてもらえなかったという友達もいましたので、余裕をもって情報取集してから行くべきだと思います。
オーストラリアの移民局に眼をつけられているブラックなファームもあり、トラブルが無かったとしても、その様なファームに書類を書いてもらうと、セカンドビザが降りるまでに時間を要したりします。
私の場合は、申請したらすぐにビザが降りましたが、友達の中には数か月待たされた人もいます。
おわりに
ファームの仕事で、ワーキングホリデーのセカンドビザ取得の為に必要な88日間を乗り切るには、腰を守るコルセットがあるといいでしょう。途中で、腰痛に悩まされて断念して帰国した友達もいました。
オーストラリアでのファーム体験の醍醐味は、やはり大自然を味わえること、そして、色々な国の人と仲間として働く経験だと思います。
これからオーストラリアに行こうと考えている方や、既にオーストラリアに滞在されている方には、ファームで働く体験をすることをお勧めします。
一生忘れることが出来ない貴重な体験が出来るに違いありません。
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