レンタカーを借りる、または、車を買おうと思っているのだけれど、ガソリンの入れ方や、費用に関する情報が欲しいという方は、これを読めば全てが分かります。
ガソリンはPetrolまたはFuelと呼ぶ
ガソリンのことをオーストラリアではpetrol(ぺトロール)といいます。米英語で使われるガス(gas)と言っても、「へっ、ガス?」って顔されますのでご注意を。また、燃料を意味する、Fuel(フュール)という言葉も良く使われます。
オーストラリアのガソリンスタンドは、Service Station(サービスステーション)、または、Petrol Station(ぺトロールステーション)です。スラングで、Service Station(サービスステーション)を短縮して、Servo(サーボ)と呼ぶこともしばしばです。
ガソリンの種類
Unleaded Petrol
多くの車がUnleaded Petrol/Fuel(無鉛ガソリン)を使用しており、ほとんどのサービスステーションが、以下の3種類の無鉛ガソリンを供給しています。俗にいうガソリン車は無鉛ガソリンを燃料とする車のことです。Unleaded Petrolを略して、ULPと表記することもあり、以下の3種類があります。
レギュラー: Regular Unleded (ULP) または Regular 91
プレミアム: Premium Unleded (PULP) または Premium 95
ウルトラプレミアム: Ultra Premium Unleded (UPLP) または Premium 98
無鉛ガソリンのレギュラーとプレミアムの違いは、オクタン価です。レギュラーのオクタン価は91で、プレミアムとウルトラプレミアムは、日本でいうハイオクガソリンで、オクタン価が95(もしくは96)と98です。オクタン価が高ければ高いほど、値段も高くなります。これは日本と同じですね。
各サービスステーションのブランドによって、呼び名が変わり、レギュラー、プレミアム、ウルトラプレミアムと呼ばずに、ブランド名がついていたりしますが、オクタン価の91、95、98が併記されていますので、見分けがつくと思います。
ちなみに、オクタン価98のガソリンは、Shell(シェル)ではV-Max、Caltex(カルテックス)では Vortex 98、そして、BP(ブリティッシュ・ペトロリアム)ではUltimateという名前がついています。
余談ですが、オクタン価が高いと、スパークプラグから着火する前に、混合気圧縮によって起こる自然発火によるノッキングが起こりにくいと言われます。自然発火が起こらないとエンジンも最適なタイミングで爆発できるので、ベストなパフォーマンスで動きます。自然発火をしないと、無駄なタイミングでガソリンが燃焼することを避けられるので燃費も良くなると言うわけです。
新しい車には、オクタン価が高いプレミアムガソリンを使った方が、燃費が良くエンジンも長持ちすると言われています。古い車にはあまり効果はないと言われています。
ヨーロッパ車の多くは、オクタン価95以上のプレミアムガソリンを入れることが条件付けられています。ほとんどの日本車はレギュラーガソリンで問題なく動きます。レギュラーガソリンでも構わない車に、プレミアムガソリンを入れても、エンジンに負担がかかったり、車の調子が悪くなることはありません。
Leaded(有鉛)ガソリンは過去のもので、今となっては入手できません。70年代以前の古い車には有鉛ガソリン車がありますが、どこにも売っていない為、有鉛代用添加剤(lead-replacement additives)を加えるか、数値の高いプレミアムを使うかが一般的です。
E10
E10 (イー・テン)は、エタノール10%含有の無鉛ガソリンです。無鉛ガソリンで一番安いのがこのエタノール含有の混合ガソリンです。無鉛レギュラーガソリン代用燃料として、E10を使うことができます。
通常、サービスステーションの道沿いの看板の一番上に表示されている一番安い価格はこのエタノール含有ガソリンを指します。基本的にレギュラーガソリンで動く車はE10でも問題なく動きます。
ただ、車がハイオク仕様(プレミアム95以上)なのに、E10を入れると、車のエンジンに損傷を与える可能性が有ります。また、1986年より前に生産された古い車にはエタノール入りのガソリンは適していません。入れると、調子が悪くなり、故障することもあり得ます。
私はこれを知らずに、1973年製の車にE10を入れてしまったことがあり、ノッキングがひどく壊れるかと思いました。
バイクに乗る場合、バイクにはE10を使ってはいけません。壊れる原因となります。オクタン価95以上のガソリンを入れることをおすすめします。
また、オクタン値が91のE10は、安くても、通常のレギュラーより燃費が悪いと言われています。安いE10ガソリンの方が高くついたということにもなり兼ねません。この理由から、多くのサービスステーションでは、オクタン値が94以上の高いE10を供給しています。
最近はオクタン価91のレギュラーガソリンを置かない代わりにE10を置くサービスステーションが増えています。そのうち、全てのサービスステーションでレギュラーガソリンはE10に置き換わるかもしれません。
レンタカーなどを返却時に満タンにする場合は、指定が無い限りE10 で十分です。
E85 という、85%エタノールの混合ガソリンもありますが、E85 を燃料とすることが出来る車は限られていますので、誤って入れないようにしてください。
Diesel
ガソリン車に比べて、オーストラリアのディーゼルエンジンの車の割合は少ないですが、ディーゼルエンジンの車は、特に4輪駆動車などでは人気の選択となっています。
日本だと、ディーゼルの価格はガソリンより安いですが、こちらではそんなことはなく、逆に高かったりします。
誤って、ディーゼルをガソリン車に入れると車が故障しますので、気をつけてください。
LPG(Liquefied Petroleum Gas)
LPGは、液化石油ガスとも呼ばれ、LPG対応エンジンの車が使用する燃料で、主にタクシーなどの商用車に使われています。最近では、タクシーもハイブリッドのガソリン車が主流となりつつあります。ガソリンとLPGの両方が使えるようにエンジンを改造した車もあります。LPG仕様車はガスタンクが荷台かトランクに設置されています。
LPGは燃料の価格が一番安いのがメリットです。中古車市場にも少ないですが、LPG仕様車を見かけられます。
ガソリンの入れ方
オーストラリアのサービスステーションは全てセルフサービスです。基本は、日本のセルフスタンドと同じです。
自分の車に適したガソリンのポンプの前に車をとめます。自分の車に適したガソリンがわからない場合、通常は、車のガソリン給油口の蓋の裏にその車のガソリンの種類と必要最低オクタン値が書いてあります。
ガソリンが満タンになるとポンプが自動的に停止します。また、自分で入れたい量を決めることもできます。
ガソリンを入れ終わったら、レジに行って現金かカードで精算します。
ガソリンの価格表示について
ガソリン価格の表示の単位はセントです。小数点以下1桁までの価格で販売されます。例えば、写真の一番上のE10の価格は101.9セント、すなわち、1ドル1.9セントのことです。表示価格は日本と同じ1リットル当たりの価格です。
ガソリンのお得な買い方
ガソリンの値段は年々高くなり、10年前に比べると2倍の値段になりました。オーストラリアでできるだけ安くガソリンを入れる方法をまとめました。
サイトでガソリン価格を比較する
同じ地域のガソリンスタンド間で、ガソリンの価格がリッターあたり20セントくらい違うことは当たり前で、時には40セント以上違うこともざらにあります。40セント違うと、50リットル入れて20ドルの差が出ますので、大きいですね。
ここでに紹介するサイトは、地域のガソリンの価格を比較して、安いスタンドを教えてくれる便利なサービスです。私が、ガソリンを入れるときに必ず使っているサービスは、Fuel Checkです。
以下で紹介しているディスカウントと合わせて使うとさらに安くなります。
NSW州政府の比較サイトです、一番上のボックスに価格を調べたいエリアの地名か郵便番号を入れると、その近隣のサービスステーションのガソリン価格が安い順に表示されます。
シドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、アデレード、ホバート、ダーウィン、キャンベラのガソリンの価格が調べられます。このサイトも検索ボックスに価格を調べたいエリアの地名か郵便番号を入れて使います。
このサイトは、 全国にある4,500のサービスステーションのガソリンの価格を比較することができます。このサイトも、同じく検索ボックスに価格を調べたいエリアの地名か郵便番号を入れて使います。
Fuel Discount Offerクーポンを利用する
大型スーパーマーケットのWoolworths(ウールワース)かColes(コールズ)で、$30以上の買い物をすると、レシートの下部分に、Fuel Offer または Discountと記されたVoucher(バウチャー)と一般的には呼ばれる、クーポン券がついてきます。この部分を切り取って精算時に提出すると、1リットル当たり4セントが割り引かれます。
WoolworthsのクーポンはWoolworthsの看板があるCaltex(カルテックス)かAmpol(アンポル)のサービスステーションで、ColesのクーポンはColes Expressの看板があるShell(シェル)のサービスステーションで使用できます。
ちなみにポイントがたまるプログラムは、WoolworthsはEveryday Rewards(エブリデイリワーズ)、ColesはFlybuys(フライバイズ)と呼ばれています。
同サービスステーション共、サービスステーションのショップで一定額以上の買い物をするとさらに割引というキャンペーンを行っています。
セブンイレブンのFuel Price Lockを利用する
セブンイレブンブランドのMobile(モービル石油)のサービスステーションでは、スマートフォンでアプリを入れて好きな種類のガソリンをその時の価格で事前に購入予約することができます。
オーストラリアのガソリン価格は浮き沈みが激しく、1日で1リットル当たり20セント違うこともざらですので、このサービスは安くなった時に予約して、あとでガソリン代が値上がりしても、予約時の価格で購入することができるというメリットがあります。
その時の低価格をスマホのアプリからロックイン(Lock in)できる訳です。ロックインした価格は7日間有効ですので、その間にセブンイレブンのサービスステーションでガソリンを実際に購入せればいいということになります。
このサービスを利用する条件として、セブンイレブンのサービスステーション専用のガソリン購入用プリペイドカードを入手して、$10以上の金額をチャージしておく必要があります。
詳しくは、セブンイレブンのこちらのページをご覧ください。
おわりに
以上が、オーストラリアのガソリンの種類、入れ方、そして、安い価格を見つけるコツについてでした。
入れ方については、基本的に日本と同じなので心配は無用でしょう。
サービスステーションにはトイレもあります。場所によっては、トイレにカギが掛かっている場合もありますので、その時は店員さんに声をかけてカギを借りましょう。
また、ほとんどのサービスステーションに、タイヤの空気圧をチェックして調整するステーションがありますので、マメにチェックすることをお勧めします。
古い車に乗る場合は、オイルやエンジンルームのチェックも頻繁に行いましょう。
オーストラリアで安全で楽しいドライブを体験してください!
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