ウルル・カタジュタ国立公園(Uluru-Kata Tjuta National Park)は、エアーズロックとも呼ばれるウルルと複数の岩群からなるカタジュタを含む広大なエリアのことです。ウルルとカタジュタは、距離にして約50km離れています。
ウルル・カタジュタ国立公園には数か所の展望スポットがあり、日の出・日の入り時には、色を美しく変える岩たちが鑑賞できます。
ウルルとカタジュタの周りにはウォーキングコースも整えられており、岩肌を間近に眺め、パワーを感じながら散策ができます。コースは平坦で車いすでもアクセスできるものから、アップダウンが激しく体力が必要なものまで様々です。
ウルル・カタジュタ国立公園
ウルル・カタジュタ国立公園は、自然と文化の両面で世界複合遺産として認定されています。
観光地として栄えてきた、ウルル・カタジュタ国立公園は、実はオーストラリアの先住民であるアボリジニのアナング族の土地であり、1985年にウルル・カタジュタの所有権がアナング族に正式に返還されました。そして、アナング族は、オーストラリア国政府との間で99年間の土地賃貸契約を結ぶことに同意したそうです。
ウルル・カタジュタは世界有数のパワースポットとしても知られており、至るとことに聖地と呼ばれる数々のスポットが点在しています。観光客が立入りできない公表されていないスポットもたくさんあるそうです。
入園料と開園時間
ウルル・カタジュタ国立公園に入るには、入園券であるパークパス(Park Pass)を購入する必要があります。
パス料金
子供: $12.5(5-15歳)
*4歳以下の子供は無料
*パスは3日間(72時間)有効
*家族パス($65)もあり
パスは国立公園の入口にあるゲートで購入します。入園料は車に対してではなく、車に乗っている人間に対して、人数分掛かります。
こちらは国立公園入口から、以下に説明しているウルルの展望スポットの一つ、カーサンセット(Car Sunset)までの行程をおさめた動画です。
有効期間中は何度でも再入園可能です。自家用車やレンタカーの場合は、入園する都度パスの提示を求められますので、各自でパスを携帯することをお忘れなく。
国立公園の有効期限は、購入した時点から72時間です。昼12時に購入したならば、3日後(3泊後、すなわち、滞在4日目)の昼12時になるまで有効です。
開園時間
1月: 5:00-21:00
2月: 5:00-21:00
3月: 5:30-20:30
4月: 5:30-20:00
5月: 6:00-19:30
6月: 6:30-19:30
7月: 6:30-19:30
8月: 6:00-19:30
9月: 5:30-19:30
10月: 5:00-20:00
11月: 5:00-20:30
12月: 5:00-21:00
ウルル(Uluru)
ウルル・カタジュタ国立公園で最も有名であり、人々を引き付けて止まないのがウルル(Uluru)です。
世界で二番目に大きい一枚岩であるウルルは、エアーズロック(Ayers Rock)とも呼ばれます。ちなみに、世界一大きい一枚岩は、オーストラリア国内の西オーストラリアのマウント・オーガスタス(Mount Augustus)です。
ウルルは高さ348メートルの巨大な一枚岩で、周囲は10.6キロメートルです。
ちなみに、エアーズロック・リゾートからウルルの西の麓のマラ駐車場(Mala Carpark)までは距離にして20キロ弱で、車での所要時間は20分ほどです。
ウルルの登山-ウルルクライム(Uluru Climb)について
ウルルクライム(Uluru Climb)の登山口はウルルの西の麓のマラ駐車場(Mala Carpark)の目の前にあります。
ウルル・カタジュタの所有権を持つ先住民のアナング族は聖地であるウルルへの登山をしないことを訴えてきました。ついに2019年10月に禁止になることが決定されました。
今までも、アナング族が訴え続けていたものの、観光アトラクションとして開放されている為、登りたいという観光客が後を絶たず、その急勾配から転落して死亡する人がたくさん出ています。急な岩肌にある登山道は少しの天候の変化で危険な状態になり、特に強風や猛暑時は閉鎖されます。
2019年10月までは登れますが、オーストラリアが植民される遥か昔から先住民としてその地に住むアナング族の人たちの訴えを聞いて、登らない決断をする人達も非常に多いです。
ウルルの散策
ウルルの周りには6つのウォーキング・コースがあり、多様なウルルの魅力的な姿が楽しめます。車いすでアクセスできるコースもあり、どれも比較的簡単に楽しむことができます。
マラウォーク(Mala Walk)
最もお勧めなのがこのコースで、往復約2キロのコースで1.5時間かかります。車いすでのアクセスも可能なウルル沿いを歩く平坦なコースです。ウルルの西側にあるマラ駐車場(Mala Carpark)から歩きます。
辿り着く先にある岩肌に囲まれた峡谷、Kantju Gorgeは神聖さに満ちていて、目を閉じると、心が静かになり洗われます。コースの途中に撮影禁止ゾーンもありますのでご注意を。
マラウォークまでの車窓からの景色とマラウォークの散策風景をまとめた動画はこちらです。
クニヤウォーク(Kuniya Walk)
往復約1キロの長さで所要時間45分と一番気軽なコースです。こちらも、車いすでのアクセスも可能な平坦なコースです。
ウルルの南側にあるクニヤ駐車場(Kuniya Carpark)から、水たまり場のあるMutitjjulu Waterholeまで歩きます。洞窟の岩に描かれたアートやバードウォッチングが楽しめるコースです。
ラングカタウォーク(Lungkata Walk)
往復約4キロの長さで1.5時間かかります。歩くのは簡単なコースです。
ウルルの西側にあるマラ駐車場(Mala Carpark)から南側にあるクニヤ駐車場(Kuniya Carpark)までのコースです。
ウルルベースウォーク(Uluru Base Walk)
ウルル周辺をぐるりと一周するこのコースの距離は計10.6キロで、所要時間は約3.5時間となっています。歩くのは比較的簡単です。
長時間の歩行になりますので、くれぐれも2リットル以上のお水や、晴れている日は帽子たサングラスなどの日よけ対策を忘れないようにしましょう。
リルウォーク(Liru Walk)
ウルルの南西に位置するカルチャーセンターとウルルのマラ駐車場を結ぶ往復約4キロ、所要時間1.5時間のコースです。
ウルルを少し離れた所から眺めることができます。
デューンウォーク(Dune Walk)
ウルルの北西に位置する観賞スポットのバスサンセット(Bus Sunset)にある往復600メートルのショートコースです。往復の所要時間は30分ほどです。他のコースと違い、ウルルから離れた場所にあります。
ウルルの展望ポイント
日の出と日の入りを観賞するのは、ウルル・カタジュタを訪れる観光客の人気アトラクションの一つです。
ここでは、日の出・日の入り時はもちろん、それ以外の時でもウルルを観賞するのに絶好の展望スポットを紹介します。
カーサンセット(Car Sunset)
ウルルの北西に位置する観賞スポットで、日没時に岩肌に日の光が当たって、ウルルの色が美しく変化するのを眺めることができます。ウルルを見ているあなたの後方に日が沈みます。
日の出時には、ウルルの背後から日が昇るのが鑑賞できます。ウルルが背後に登ってくる太陽の光でシルエットとなって浮かび上がる姿も感動です。
バスサンセット(Bus Sunset)
バスサンセットは、道を挟んでカーサンセットから少し離れた西側に位置します。観光バスはカーサンセットではなく、こちらに駐車します。ここからの眺めも、カーサンセット同様に素晴らしいです。
タリヌルナクンジャク(Talinguru Nyakunytjaku)
こちらは、ウルルの南側に位置している展望場所で、ウルルとその左後方に小さくカタジュタの岩群を眺めることができる絶好の写真スポットです。カー・サンセットから約13キロ、車で15-16分の距離にあります。
日の出時には、ウルルの岩肌に日が当たって美しく赤く輝くのを鑑賞できます。高い所から見渡せる展望プラットフォームもあり、展望台につながる散歩道も整備されています。このサイトのフロントページ(HOME)のスライドショーに現れるウルルとカタジュタの写真もここから撮影したものです。
早朝の日の出を観賞して散歩すると気持ちが良くておすすめです。
カタジュタ(Kata Tjuta)
カタジュタ(Kata Tjuta)は、ウルルから約50キロ西にある巨大岩群です。ウルルからは車で約40分強掛かります。カタジュタは巨大なドーム状の岩たちが連なって形成されています。日本では、風の谷で有名です。
カタジュタの散策
カタジュタには2つのウォーキング・コースがあます。どちらも足場が悪い部分があって、歩くのはウルルより少しハードです。
それでも、景色は素晴らしく、展望スポットまで行けば歩いて良かったと思うことでしょう
風の谷ウォーク(Valley of the Winds Walk)
カル見晴らし台(Karu Lookout)という展望スポットまでは割と歩きやすい往復2.2キロの道のりで、往復の所要時間は1時間です。
小さい子供も歩けるくらいのルートですが、上り坂もあり足場の悪い場所もあります。夏場は暑さが厳しいので、帽子、タオル、そして、十分な量の水は必須です。
その先のカリンガナ見晴らし台(Karingana Lookout)まで行くには、往復5.4キロの距離で、往復に掛かる所要時間は約2.5時間です。
カル見晴らし台から先の道の足元は悪く、容易ではありませんが、絶壁に囲まれたり、風の音しか聞こえない普段体感することができないことを味わえるなんとも神秘的なコースで、ウルル・カタジュタの散策コースの中で最もおすすめします。
ずっと坂道ですので汗が吹き出てきますが、見晴らし台からは美しい景色を眺めることができ、そこにずっとたたずみたくなるほどです。
カリンガナ見晴らし台(Karingana Lookout)から、そのまま来た道を引き返せば往復5.4キロですが、北側を周回して戻る全一周(Full circuit)コースもあります。
こちらは、カリンガナ見晴らし台からは下り道ですので、来た時ほど厳しい道のりではありませんが、7.4キロと長く全部歩くのには、帰ってくるまで4時間も掛かってしまいます。
しかしながら、それだけの価値がある壮大な景色を体験することができますので、時間と体力が許すならば行って後悔することは、まず無いに等しいでしょう。
風の谷の散策風景の動画はこちらです。
ワルパゴージ・ウォーク(Walpa Gorge Walk)
こちらは風の谷よりも難易度の低い往復約2.6キロ、所要時間1時間のコースです。難易度は低いというものの、足場の悪い所もあり、ウルルの散策コースよりもハードです。
両側を巨大な岩に囲まれた絶景の峡谷を歩いていくコースで、聖地と呼ばれているだけあって偉大なパワーを感じます。
折り返し点の展望台からの景色も素晴らしく、風の谷と並んでこちらもカタジュタに来たら是非歩いて欲しいコースです。
ワルパゴージ・ウォークの散策風景の動画はこちらです。
カタジュタの展望ポイント
カタジュタの巨大岩群を眺めるのに絶好の写真スポットを紹介します。ウルルと並んでカタジュタでも、これらの場所から日の出と日の入りを観賞するのが、観光客にとって定番の人気アクティビティーです。
カタジュタ・デューン・ビューイング(Kata Tjuta Dune Viewing)
カタジュタの岩群を南側から眺めることができる、日の出・日の入り時はもちろん、日中を通して人気の展望スポットです。高台の展望台から360度見渡せる景色は素晴らしく、遠くにウルルを望むこともできます。
ここから見るカタジュタの岩群は、散策コースがある西側から見るのとは違って、横に長くて壮大です。
サンセット・ビューイング(Sunset Viewing)
その名の通り、カタジュタの日の入りを観賞するに相応しい場所です。カタジュタの西に位置する観賞スポットで、日没時に岩肌に日の光が当たって、岩群が赤く色を変えるのを楽しめます。
ここから眺めるカタジュタの岩群は、カタジュタ・デューン・ビューイングから見るのとは全く違う姿を見せてくれます。よく写真で見るカタジュタはここから撮影したものが多いでしょう。
カルチャラル・センター(Cultural Centre)
ウルルの南西に位置するカルチャラル・センターにはウルルとアナング族に関する展示の他、アナング族のアーティストたちのアトリエ、作品が購入できるギャラリーもあります。
ドット・ペインティング・ワークショップ(Dot Painting Workshop)も行われており、自分でアボリジニアートを体験たいならば参加することができます(www.maruku.com.au)。
カルチャラル・センターの中には、軽食を取れるレストランもあります。
カルチャラル・センターは、朝7時から夕方6時までオープンしています。ここからのウルルの眺めも素晴らしく、上のウルルのセクションでも紹介した、ウルルのマラ駐車場まで片道約2キロの散策道、リルウォーク(Liru Walk)も整備されています。
サイクリングを楽しみたいならば、カルチャラル・センターの外に自転車のレンタルもあります。
さいごに
ウルル・カタジュタ国立公園の概要、そして、散策コース、日の出・日の入り観賞に最適な絶景展望スポットの紹介でした。
展望スポットからの景色はどれも素晴らしく、できれば全て行ってみることをおすすめします。
ウルル・カタジュタ国立公園に来たら、散策をして大自然を肌で感じるのは欠かせないアクティビティーの一つです。
ウルルの散策コースはどれも平坦で歩きやすいですが、カタジュタのコースは少しハードです。特に、風の谷のカリンガナ見晴らし台まで行くには、足場が悪い箇所が多く、高低差もあるので、普段歩き慣れていない方や足腰が弱い方には、きついかも知れません。
夏場は暑さとハエの多さで歩くのも大変ですが、それでもワイルドな大自然の景色と神聖な土地の空気に感動することでしょう。2リットル以上の水と頭から被るハエ除けネットは散策の必需品です。
1年を通して朝晩の温度差が大きく、夏でも上着を用意されていくことをおすすめします。冬の朝晩はかなり冷え込みますので防寒着は必需品でしょう。
ウルル・カタジュタの気候や必需品については「世界遺産の絶対行きたい観光地 ウルル・カタジュタ」にまとめています。
ウルル・カタジュタの現地オプショナルツアーやアクティビティーについては、こちらの記事をご覧ください。
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