
シドニーにはライトレール(Light Rail)と言う交通機関があります。これは路面電車のことで、人々にはトラム(Tram)とも呼ばれています。
この記事では、シドニーを走る路面電車、ライトレールについて紹介します。
シドニー・ライトレールについて
シドニー中心部とインナーウェスト、南東部を走るライトレールには、L1ダルウィッチ・ヒル・ライン(Dulwich Hill Line)、L2ランドウィック・ライン(Randwick Line)、L3キングスフォード・ライン(Kingsford Line)の3路線があります。さらに、パラマタ周辺では2024年12月20日にL4ウェストミード&カーリングフォード・ライン(Westmead & Carlingford Line)が開通しました。この記事では、これら4路線を紹介します。

L1はセントラル(Central)駅とダルウィッチヒル(Dulwich Hill)駅間をつなぐ路線で、スペインの鉄道車両メーカーCAF社が供給するUrbos 3の5両編成の車両が走行しており、全長は約33メートルです。
L2はサーキュラキー(Circular Quay)駅から、セントラル(Central)駅を経由し、ランドウィック(Randwick)駅間をつなぐ路線で、フランスに本拠地を置く多国籍企業のAlstom社が供給するCitadis X-05の5両編成の車両であるCitadis 305が2つ連結した形となり、10両編成で走行しており、全長は約67メートルです。
L3は2020年4月3日に開通しました。サーキュラキー(Circular Quay)からムーアパーク(Moore Park)まではL2と同じ区間を走り、ムーアパークの先で分岐して、ケンジントン(Kensington)やUNSW Anzac Paradeを経由し、終点ジュニアーズ・キングスフォード(Juniors Kingsford)へ向かいます。
L4は、ウェストミード(Westmead)とカーリングフォード(Carlingford)をパラマタ中心部経由で結ぶ路線です。L1・L2・L3とは線路がつながっていないため、シドニー中心部からは電車などでパラマタまたはウェストミードへ移動して乗り換えます。
L1とL2/L3はどちらもセントラル(Central)駅に停車しますが、L1のセントラル駅とL2/L3のセントラル駅のホームは離れており、高低差もありますので徒歩数分掛かります。L1からL2/L3に乗り換えるには、L1のキャピタルスクエア(Capitol Square)駅からL2/L3のチャイナタウン(Chinatown)駅に移動した方が距離も無く高低差もありませんので便利です。
過去、1960年代以前のシドニーにはトラム(路面電車)網が発達していましたが、バスに置き換えられ、トラムは姿を消しました。しかし、その後トラムの有用性が見直され、1997年に現在のL1のセントラル駅からウェントワース・パーク(Wentworth Park)の区間が開通したのが現在のライトレールシステムの始まりです。

L1ダルウィッチヒルライン(Central-Dulwich Hill)
この路線(L1)でライトレールが路面を走るのは、セントラル駅から中華街を抜けて行く区間の約1㎞で、それより先は終点のダルウィッチヒル(Dulwich Hill)駅までの間、区画された線路の上を走っていきます。
セントラル駅から、終点のダルウィッチヒル駅までの所要時間は40分です。料金はオパールカード利用で大人約$3.70(オフピーク時間帯は$2.80)です。
オパールカードについては、「シドニー公共交通機関利用に必須のオパールカード(Opal Card)」をご覧ください。また、オパールカードの具体的な使い方については、「シドニーでオパールカードを実際に購入して使ってみた【体験記】」をご覧ください。
L1で行ける場所
シドニーのチャイナタウン(中華街)へは、パディーズ・マーケット(Paddy's Markets)駅が中華街正門のすぐ近く、ショッピングセンターのマーケットシティー(Market City)真横に位置しています。

ダーリングハーバー(Darling Harbour)へは、エキシビジョン・センター(Exhibition Centre)駅、コンベンション(Convention)駅、ピアモント(Pyrmont)駅の3つの駅からアクセスできます。どの駅もダーリングハーバーの西側に隣接しています。
ザ・スター・カジノの真下にあるのがザ・スター(The Star)駅です。シドニー唯一のフィッシュマーケットへは、フィッシュマーケット(Fish Market)駅から歩いてすぐです。
フィッシュマーケットを過ぎてダルウィッチヒル方面へ向かうと、右手にアンザックブリッジと遠くにハーバーブリッジが見える美しい景色が楽しめます。

また、レストランやカフェが集まるトラムシェッズ(Tramsheds)へはジュビリーパーク(Jubilee Park)駅の真裏にあります。
これらの場所へ行くのに便利なライトレールを利用する乗客で、特にセントラル駅からフィッシュマーケットくらいまでの区間は車内は混み合っています。
車窓からの景色を見ていると、ダルウィッチヒルまでの40分間はあっという間に過ぎます。
L1の主な駅を紹介します。
セントラル(Central)駅 L1乗り場
セントラル駅はその名のとおりシドニーの中心となる駅で、各方面行きの電車、ライトレール、そして、バスのハブターミナルです。セントラル駅についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

サンドストーンの外観もさることながら、駅のコンコースの内部も観光スポットとして訪れる価値ありです。
ライトレール(L1)の駅はシドニートレインの電車の改札のあるコンコースの外側にあります。改札口向かいの2番Pitt Stと表示のある出口を出ると目の前がライトレールの乗り場です。

ダルウィッチヒル(Dulwich Hill)駅
ダルウィッチヒルに近づくに連れて切り立った岩の間を線路が走る区間が増えてきます。終点のダルウィッチヒルは、ギリシャからの移民が多く定住した街として栄えた為、ギリシャ系のレストランやお店、教会などが至る所に見られます。最近はシドニーの人気居住地域として発展しています。

ライトレールのダルウィッチ駅は、電車、シドニートレインの駅の真横にありますので、帰りはシドニートレインでセントラル駅に戻るのもいいでしょう。トレインの駅へは階段を上っていったん道路に出てから行くようになりますが、すぐ隣に見えますので迷うことはないでしょう。

シドニートレインでダルウィッチヒル駅からセントラル駅まではほんの15分です。路線は“T3 Bankstown Line”です。ダルウィッチヒル駅はこの路線の電車しか通りません。間違ってシドニーと逆方向に行かないように、シドニー行き(City行き)の電車に乗ることだけ気をつけてください。セントラル駅までは、オパールカード利用で大人約$3.70(オフピーク時間帯は$2.80)です。

尚、ダルウィッチヒルのメインの商店街は駅から少し離れたことろにあります。商店街に行くには、手前のダルウィッチグローブ(Dulwich Grove)で降りて、駅上の線路を横切るNew Canterbury Roadを線路を横切った方向へ東へ2-3分歩くと到着します。商店街には地元で有名なカフェやおしゃれなレストランがあります。
L2ランドウィック・ライン(Circular Quay-Randwick)

長年にわたるシドニー中心部の工事も完了し、2019年12月14日に開通したのが、L2ことランドウィック・ライン(Randwick Line)です。
この路線(L2)のほどんどの区間をライトレールは路面を走ります。路線の北の端のターミナル駅となっているのは、オペラハウスもある観光名所のサーキュラキー(Circular Quay)です。
サーキュラキー(Circular Quay)駅からセントラル(Central)駅を経由して、終点のランドウィック(Randwick)駅までの所要時間は25分です。料金はオパールカード利用で大人約$3.70(オフピーク時間帯は$2.80)です。
オパールカードについては、「シドニー公共交通機関利用に必須のオパールカード(Opal Card)」をご覧ください。また、オパールカードの具体的な使い方については、「シドニーでオパールカードを実際に購入して使ってみた【体験記】」をご覧ください。
L2で行ける場所
シドニーの目抜き通りジョージストリート(George Street)を走りますので、観光名所めぐりに利用するのもいいですし、車窓の景色を眺めるのも楽しめるでしょう。
観光名所のザ・ロックス(The Rocks)にほど近く、ハーバーブリッジ(Harbour Bridge)とオペラハウス(Opera House)が一望できるフェリー埠頭、サーキュラキー(Circular Quay)駅からジョージストリート(George Street)に沿って南下していくと、クイーン・ビクトリア・ビルディング(QVB)、そして、タウンホール(Town Hall)に停車します。
更に南下し、中華街のあるチャイナタウン(Chinatown)駅を通ってセントラル(Central)駅へと向かいます。
セントラル駅の次は、お洒落なレストランやカフェ、ファッション関係のショップなどが並ぶサリーヒルズ(Surry Hills)駅です。その次のムーアパーク(Moore Park)駅には、映画館やレストラン、カフェ、様々なショップが集まるエンターテイメント・クォーター(The Entertainment Quarter)があります。
終点のランドウィック(Randwick)駅に行くまでには、競馬場であるロイヤル・ランドウィック・レースコース(Royal Randwick Racecourse)や緑豊かな野鳥の楽園であるセンテニアルパーク(Centennial Park)、そして、ニュー・サウス・ウェールズ大学(UNSW)などがあり、どこも駅に隣接しています。
L2全区間片道25分間の車窓から、シドニー各所の街中の景色を堪能することができます。
L2の主な駅を紹介します。
サーキュラキー(Circular Quay)駅

ライトレールのサーキュラキー(Circular Quay)駅は、電車の駅を挟んで、フェリー埠頭ターミナルの反対側に位置します。カスタムズハウス(Customs House)の目の前でもあります。
セントラル(Central)駅 L2乗り場

ライトレール(L2)の駅はシドニートレインの電車の駅の4番出口の目の前、チャルマーズ・ストリート(Chalmers Street)沿いにあります。
ライトレール(L1)の駅は、電車の駅のコンコースの外側にあり、電車の改札内を通らないで行くには、電車の駅の北側をL2の線路に沿って回り込んで、エスカレータか階段で1レベル上に上がる必要があります。

ランドウィック(Randwick)駅

ランドウィック(Randwick)駅はL2の終点で、High Street沿いにあります。Prince of Wales Hospitalなどが集まる病院地区へのアクセスに便利なほか、周辺にはカフェやレストランがあります。
シドニー中心部へ戻る際は、Circular Quay行きのL2に乗車します。UNSWへ向かう場合は、目的の建物によって1つ手前のUNSW High Street駅の方が便利なこともあります。
L3キングスフォード・ライン(Circular Quay-Juniors Kingsford)

L3は、サーキュラキー(Circular Quay)からジュニアーズ・キングスフォード(Juniors Kingsford)までを結ぶライトレールです。2020年4月3日に開通し、現在は通常運行しています。
サーキュラキーからジョージストリート(George Street)、セントラル駅のチャルマーズ・ストリート(Chalmers Street)側、サリーヒルズ、ムーアパークまではL2と同じ停留所に停車します。その先はL2のランドウィック方面と分かれ、アンザック・パレード(Anzac Parade)沿いのケンジントン、UNSW、キングスフォード方面へ進みます。
L3で行ける場所
- シドニー中心部:サーキュラキー、QVB、タウンホール、チャイナタウンなどへはL2と同様にアクセスできます。
- ムーアパーク(Moore Park):エンターテイメント・クォーターや周辺のスポーツ施設へ向かう際に便利です。イベント開催日は混雑や運行変更に注意してください。
- ケンジントン(Kensington):アンザック・パレード沿いの住宅街や飲食店へアクセスできます。
- ニュー・サウス・ウェールズ大学(UNSW):L3のUNSW Anzac Parade停留所はキャンパス西側へのアクセスに便利です。L2のUNSW High Street停留所とは別の場所なので、目的の建物に合わせて選びましょう。
- キングスフォード(Kingsford):飲食店の多いアンザック・パレード周辺へアクセスできます。
UNSW Anzac Parade駅とJuniors Kingsford駅
UNSW Anzac Paradeは、UNSWのアンザック・パレード側にある停留所です。大学へ行く場合は、同じUNSWでもL2とL3で到着する側が異なることを覚えておくと便利です。
キングスフォード方面にはKingsfordとJuniors Kingsfordという2つの停留所があります。L3の終点はJuniors Kingsfordで、Kingsfordはその1つ手前です。目的地に近い方で降りてください。
L3の乗り方と運行時間
L2とL3が共通する区間では、行き先表示を確認して乗車しましょう。キングスフォード方面へ行く場合は「L3 / Juniors Kingsford」、ランドウィック方面へ行く場合は「L2 / Randwick」を選びます。
通常の運行時間は毎日午前5時から翌午前1時までです。運行間隔は曜日・時間帯で変わります。出発前にはL3の公式路線・時刻案内やTrip Plannerで最新の運行状況を確認してください。
乗車前と降車後に停留所のOpalリーダーへタッチします。運賃は乗車区間や時間帯で異なるため、オパールカードの記事と公式Trip Plannerをご確認ください。
L4ウェストミード&カーリングフォード・ライン(Westmead-Carlingford)

L4は、2024年12月20日に開通したパラマタ・ライトレール(Parramatta Light Rail)の路線です。ウェストミードからパラマタ中心部を通り、カーリングフォードまでを結びます。全長約12km、停留所は16か所あります。
L4はシドニー中心部のL1・L2・L3とは独立した路線です。サーキュラキーやセントラルからライトレールに乗ったままパラマタへ行くことはできません。シドニー中心部からは電車などでパラマタ駅またはウェストミード駅へ移動して、L4に乗り換えます。
L4で行ける場所
- ウェストミードの病院地区:Westmead、Westmead Hospital、Childrens Hospitalの停留所があり、病院や周辺施設へのアクセスに利用できます。
- パラマタ・スクエア(Parramatta Square):広場や飲食店、図書館などが入るPHIVE、パラマタ駅周辺へアクセスできます。
- チャーチ・ストリート(Church Street):レストランやカフェの集まるパラマタ中心部の散策に便利です。
- プリンス・アルフレッド・スクエア(Prince Alfred Square):公園やCommBank Stadium方面への徒歩アクセスに利用できます。
- ローズヒル・ガーデンズ(Rosehill Gardens):競馬場方面へのアクセスに利用できます。イベント時の入口や徒歩ルートは事前に確認してください。
- ウェスタン・シドニー大学:Yallamundi停留所からParramatta Southキャンパス方面へアクセスできます。
- ダンダス、テロピア、カーリングフォード:パラマタ中心部と周辺の住宅街を結ぶ移動手段として利用できます。
パラマタ周辺での乗り換え
シドニー中心部から電車でパラマタ駅に到着した場合は、駅の北側にあるParramatta Squareのライトレール停留所へ徒歩で移動します。電車のホームとライトレールの乗り場は別なので、案内表示を確認してください。
Parramatta Squareからは、Church Streetや病院地区へ行くならWestmead行き、Rosehill Gardens、Dundas、Telopea方面へ行くならCarlingford行きに乗ります。ウェストミード駅でも電車とL4を乗り継ぐことができます。
L4の停留所一覧

ウェストミードからカーリングフォードへ向かう順番は、以下の通りです。
- Westmead
- Westmead Hospital
- Childrens Hospital
- Ngara
- Benaud Oval
- Fennell Street
- Prince Alfred Square
- Church Street
- Parramatta Square
- Robin Thomas
- Tramway Avenue
- Rosehill Gardens
- Yallamundi
- Dundas
- Telopea
- Carlingford
L4の公式路線案内では、路線図や停留所情報を確認できます。
L4の乗り方と運行時間
L4の通常の運行時間は、毎日午前5時から翌午前1時までです。運行間隔や所要時間は曜日・時間帯で変わるため、公式の運行案内とTrip Plannerで確認してください。
L4でもOpalカードや対応するクレジットカード・デビットカードのタッチ決済が使えます。乗る前に停留所のリーダーでタップオンし、降りた後にタップオフします。スマートフォンやカードを使い分けず、乗降時には同じカード、または同じ端末を使ってください。
電車から乗り換える場合も、電車の降車時とライトレールの乗車時にそれぞれタッチする必要があります。料金はオパールカードの記事と公式Trip Plannerで確認できます。
ライトレール乗り降りの注意点
ライトレールの駅の目印は赤字に白のLマークです。

ライトレールに乗車する際、または、降車する際には、ドアにあるボタンを押してドアを開けましょう。停車してボタンの周りが緑色に点滅してからボタンを押すとドアが開きます。押さないとドアが開かないことがありますので注意してください。

シドニーのライトレール、電車、バス、フェリーは、全てオパールカードを使って利用できます。公共交通機関がまとめて利用できる、便利でお得なオパールカードについては「シドニー公共交通機関利用に必須のオパールカード(Opal Card)」で紹介しています。
ライトレールの乗り方については、「シドニーでオパールカードを実際に購入して使ってみた【体験記】」をご覧ください。
さいごに
2019年12月にサーキュラキー(Circular Quay)からシドニー中心地を走り抜ける路線が開通して、今まであった路線に合わせて更に観光名所をまわるのに便利になったライトレールを紹介しました。
ライトレールの路線マップは、Transport NSWの以下のページでご覧ください。“Sydney Light Rail" "Sydney Light Rail network map”というタブをクリックするとマップが表示されます。また、発着時刻もお調べいただけます。
https://transportnsw.info/routes/lightrail
シドニーの公共交通機関の時刻と路線マップは、Transport NSWのフロントページ(以下)からTrip Planner(トリッププランナー)を使って調べらることができます。Trip Planner(トリップ・プランナー)に、出発地(From)と目的地(To)を入力するとルートと料金が算出されます。
https://transportnsw.info/