オーストラリアの賃貸の探し方|家探しオーディションを勝ち抜く内見・申込・退去ガイド

オーストラリアで家を借りようと思っただけなのに、なぜ履歴書を作り、推薦者を探し、自己PRまで書いているのでしょうか。こちらは家賃を払う側です。就職先を探していた記憶はありません。

ところが人気物件のインスペクションに行くと、玄関にはライバルたち。家の中を見ているつもりが、途中から「大家さんに選ばれる自分」を演出し始めます。ようこそ、家探しオーディションへ。歌唱審査はありません。書類審査はあります。しかも、かなりあります。

この記事では、Domain、realestate.com.auを使った賃貸の探し方から、内見、申込、選ばれるための準備、ボンド、入居時の記録、退去までを順番に説明します。

対象と確認日:2026年10月16日確認。一軒・一室全体を借りる一般的な住宅賃貸を中心に、法制度はシドニーのあるNSW州を例にしています。他州やシェアハウス、下宿型契約ではボンド・通知期間・適用法が異なります。

オーストラリアの賃貸探しは、この順番で進める

  • 予算・エリア・入居日・必須条件を決める
  • Domainとrealestate.com.auで検索し、気に入った物件を控える。条件を指定し通知を設定する
  • インスペクションを予約・登録し、物件を確認する
  • 気に入ったら、その日のうちに完成した申込を送る
  • 承認されたら、契約条件と支払先を確認して契約・ボンド手続きをする
  • 入居直後にコンディションレポートと写真を残す
  • 退去時は書面通知・清掃・鍵の返却・ボンド返還まで終える

勝負は内見当日に始まるように見えて、実は書類の準備段階から始まっています。いい家に出会ってからパスポートを探し始めると、家より先に自分が行方不明になります。

物件検索の主流はDomainとrealestate.com.au

まず軸にしたいのは、Domainとrealestate.com.auの2つです。不動産会社の掲載物件を探しやすく、家賃・部屋数・地図・内見情報をまとめて確認できます。同じ家が両方に出ていることも多いので、物件住所で重複を整理しましょう。Facebook MarketplaceとGumtreeは、個人募集の物件などを補う方法として使います。

サイト使い方・向いている場面注意すること
DomainRentで地域・家賃・寝室数を指定。地図や内見情報で候補を絞るApplyや予約ボタンの先が別会社のサービスになる場合がある
realestate.com.auDomain同様にRentで検索。お気に入りや通知を使い、新着を追うサイト内申込か、指定の外部申込かを物件ごとに確認
Facebook Marketplace地域を設定してrent・rental・suburb名で検索。個人募集を補足。シャアの募集も多い表示カテゴリは地域等で変わる。掲載者・条件・実物を確認
Gumtree上記FBと同様。不動産関連の掲載を地域・物件種別で探す家全体か一部屋か、転貸か、契約相手は誰かを確認

検索条件は「理想」と「絶対条件」を分ける

  • 絶対条件:上限家賃、寝室数、通勤・通学、入居できる日、必要な駐車場など
  • 調整できる条件:築年数、床材、眺望、庭の広さ、駅まで数分の差など
  • 家賃以外:交通費、光熱費、ネット、庭・プール管理、引越費用も予算に入れる

家賃表示のper week/pwは週額です。週$800なら年額は$41,600、月平均は約$3,467(800×52÷12)。「月は4週間」と計算すると、毎月どこかで数日の差が出て、財布が時空のひずみに落ちます。

希望エリアと隣接エリアで検索を保存し、新着通知を設定します。物件メモには住所、家賃、内見日時、申込先、気になる点、進捗を残すと便利です。家の数が増えるほど「日当たりがいい家」と「日当たりがよさそうに撮られた家」が頭の中で合体します。

写真はかなりきれいに取られている何年も前のものだったり、写真用の為だけに用意されたお洒落な家具やカーペットなどを配置したものだったり、酷いとAIで加工したものだったりします。「これ、いいじゃん!」と思って見に行ったら、「全然違うじゃん、残念!」ということもあり得ますので注意が必要です。

Domainでフィルター検索する手順

PC版を例に、まずホーム画面でRentを選択し、suburb(地域名)またはpostcode(郵便番号)を入力して候補を選びます。Filtersで家賃、物件タイプ、寝室・浴室・駐車台数などを指定し、必要に応じてMore filtersを開きます。画面や項目はアプリ・更新によって変わります。

  • Price 家賃:週額の上限を設定。希望より高い家を眺め続ける時間を減らす
  • Beds 寝室数:最低数か完全一致かを確認。3部屋以上なら4部屋の候補まで消さない
  • Property types 物件種別:House、Apartment/Unit、Townhouseなどを選ぶ
  • Search nearby suburbs 周辺地域:周辺エリアを含めるか選ぶ。学校や通勤条件に合わせ範囲を確認。検索ボックスで追加することも可能(Suggested for youの表示)
  • Filters 追加項目:検索ボックス隣のシンボルをクリックし、家具付き、駐車場数、設備等の必要条件を選択。Exclude deposit takenの項目があれば申込承認済み物件を除外できる
  • 結果:Search/See resultsで表示し、Sort byで新着順等へ。Map viewで場所も照合する

設備フィルターを全部オンにすると、未入力の物件も落ちる可能性があります。必須条件で探す検索と、少し緩めた検索を両方用意し、説明文でも補いましょう。参考:Domain公式の検索手順

realestate.com.auでフィルター検索する手順

使い方はDomainと似ています。Domainもこちらも、直感的に使えますので直ぐに慣れるでしょう。

Rent → 地域名・郵便番号を入力 → 候補を選択 → Filtersの順で進みます。複数の地域をまとめて検索できるので、第一希望と隣接エリアを入れて比較すると便利です。家賃、物件タイプ、部屋数などを指定して検索し、結果からMapへ切り替えて位置を確認します。Exclude properties secured by a depositの選択すると申込承認済み物件を除外できます。

検索結果のSave searchから名前を付け、通知を有効にすれば条件に合う新着を追えます。「通勤優先」「広さ優先」など条件を変えて保存すると比較しやすくなります。フィルターで確認できないgas cooking、air conditioning等は説明文と担当者への質問で補ってください。参考:realestate.com.au公式の検索手順

フロアプラン(間取り図)はどこを見る? 写真の並び順を間取りだと思わない

物件ページの写真一覧・ギャラリーやFloorplan/Floor planの項目を確認します。Domainでは対応する掲載にInteractive Floorplanがあり、部屋と写真を対応させて見られます。ただし、すべての賃貸に間取り図があるわけではありません。なければ担当者に依頼しましょう。

  • 部屋の寸法と家具:ベッドだけでなく、机・収納・通路まで置けるか
  • 寝室の配置:道路、リビング、隣戸、共用階段に接していないか
  • 生活動線:寝室からトイレ、洗濯機から物干し、車から玄関への移動
  • 窓と方角:採光・換気を現地と照合。北向きでも隣の建物や庇で光が遮られる場合がある
  • 階段と浴室:家族の年齢、夜間の移動、浴室・トイレの数
  • 貸す範囲:庭・ガレージ・別棟が全部含まれるのか。別世帯と共用しないか

間取り図は縮尺・寸法・現況が正確とは限らないので、大きな家具は内見で採寸します。以前の売買広告に図面が見つかる場合もありますが、改装前や別の住戸ではないか確認を。写真では寝室が4つあっても、頭の中でつないだ家は実物と違うことがあります。参考:DomainのInteractive Floorplan

物件のヒストリーを調べる:住所で過去の掲載をたどる

Domain:住所を検索し、Home Price GuideやProperty ProfileのProperty Historyを確認します。掲載されていれば、売却・賃貸募集・取下げ等の履歴をたどれます。realestate.com.au:住所でProperty Profileを探し、Timelineで売買・賃貸の出来事、掲載期間、表示される家賃等を確認します。検索エンジンで「正確な住所+Domain」「正確な住所+realestate.com.au」と探す方法もあります。

過去の写真や説明があれば、今回との違い、募集の繰り返し、以前の掲載家賃を確認できます。ただし、過去の広告家賃は実際の成約家賃と同じとは限らず、記録の抜け・重複・誤りもあります。短い間隔で再掲載されても「問題物件」とは断定せず、理由を質問する材料にしましょう。推定家賃も参考値であり、修繕履歴やカビ・騒音の有無を保証する情報ではありません。

売却直後なら入居後の管理担当、現在も売り出し中なら売却予定と内見対応について確認を。ヒストリーは家の履歴書ですが、「短所はありません」と書かれた履歴書をそのまま信じる必要もありません。参考:Domainの履歴情報/realestate.com.auのProperty Profile

家の住所を入れて、Googleなどで検索すると、他のサイトで過去の履歴やフロアプランが出てくることが多々あります。しかしながら、過去のフロアプランが今もそのままだとは限りません。

Marketplace・Gumtreeは「安い」より先に本人と実物を確認

個人募集の物件を探すという選択肢はありますが、実在する住所やきれいな写真だけでは本物の募集と判断できません。内見できない理由が続く、海外在住を理由に先払いを急がせる、鍵の発送費を求める、といった募集では立ち止まってください。大手サイトでも掲載先だけで安全を保証はできません。

個人募集の物件は、大きく分けると大家さんが直接募集を掛けるものと、借りている人がまた貸し、または、物件の一部を貸しているものがあります。グラニーフラット(Granny Flat)という一軒家の敷地内に建てた別棟を貸し出しているケースが多く見られます。

DomainやRealeatate.com.auにもこのタイプの物件が出ていることもあります。

個人募集の物件は、管理者の情報と連絡先に怪しい点が無いかを確認し、個人貸主に貸す権限があるのかを契約内容をよく見て確認しましょう。はっきりしないうちにお金を払うことが無いようにしてください。第三者の予約サービスに見せかけた送金リンクや、SNSのDMだけでの本人確認書類送付にも注意を。「家を押さえるために今すぐ振込」は、家より先にお金が引っ越すことがあります。参考:Scamwatchの賃貸詐欺注意喚起

インスペクションは、家を見る日。自分を売り込むだけの日ではない

Inspection(インスペクション)は内見です。公開内見のOpen for inspectionと、個別に調整するPrivate inspectionなどがあります。まず掲載の予約・登録案内に従い、氏名と連絡先を登録しましょう。登録しておくと変更連絡を受けやすくなりますが、当日も募集状況を再確認してください。

Domainでは物件によって個別内見やオンライン内見を依頼できます。ただし、送信すれば予約確定とは限りません。担当者からの確認を待ちます。参考:Domainの内見依頼方法

不動産会社が管理する物件の内見では、よっぽどひどいことをしない限り、面接のように容姿や話し方で判断されることはありません。短パン+ビーサンでも大丈夫です。申し込みした時点で、不動産会社が書類を見て、スクリーニングし物件のオーナーに決断を求めるのが一般的みたいです。

オーナーが直接募集し、内見もアレンジする物件では、印象やアピールも重要になります。

短い公開時間に人が集中することもあります。数分前には到着し、住所と入口を確認。言われたら玄関で靴を脱ぐか、迷ったら聞けば十分です。最近は室内を綺麗に保つために靴を脱いで生活する西洋人も多くなってきています。

入る前に挨拶し、担当者に名前と電話番号を伝えます。最近では、スマホでQRコードを読み込みオンラインで登録するパターンも多いです。また、事前に上記に説明したサイト経由で内見の登録をしておけば、名前を告げるだけで大丈夫です。スーツも特技披露も不要です。ここでタップダンスをすると、床への懸念だけが増えます。

物件写真は「家のすっぴん」とは限らない。AI加工にも注意

物件写真には、明るさや色の調整、広角撮影に加え、AIやデジタル加工で家具を置いたり、見栄えを整えたりしたものもあります。どの写真が加工されているか、加工がどこまで行われたかを見た目だけで判断するのは難しく、きれいな写真と現物が同じ印象とは限りません。

写真では明るく広々とした部屋。現地では暗い、狭い、傷んでいる。「全然違うやんか! 詐欺ちゃうかこれ!」と叫びたくなる落差です。もちろん、印象の違いだけで法的に詐欺と決まるわけではありませんが、写真だけで契約を決める怖さはここにあります。家にもプロフィール写真にも、盛れる限度というものがあります。

掘り出し物に見える家ほど、できるだけ実際に見てから決めましょう。写真は候補を選ぶ入口です。広さ・傷・カビ・臭い・騒音・日当たりまで保証するものではありません。遠方なら信頼できる代理人の内見を優先し、難しければ録画だけでなくライブ動画で収納・窓まわり・水回りまで見せてもらいます。

NSWでは、実物を誤認させる写真加工は現行の広告指針でも問題になります。また政府は、欠点を隠すAI・デジタル加工等の開示を求める新制度を発表していますが、開始は2027年初めの見込みです。「今は開示済みのはず」と安心せず、自分でも確認してください。参考:NSWの不動産広告指針/加工写真の開示に関する政府発表

内見で見るのは、写真に写っていない部分

  • カビ臭・湿気・結露跡:収納の中、窓枠、天井、水回り。新しい塗装だけで原因まで解決したとは限らない
  • 窓・換気・日当たり:窓が開くか、換気扇、暗さ。時間帯による変化も考える
  • 水回り:水漏れ跡、排水、給湯。蛇口等を試すときは担当者に確認する
  • 生活動線:家具・冷蔵庫・洗濯機の寸法、収納、階段、搬入経路
  • 設備:冷暖房、コンロ、食洗機、窓やドアの鍵、網戸など
  • 周囲:道路・鉄道の音、駐車、ゴミ置場、共用部、帰宅時の道
  • 通信:住所でNBNの接続可否・方式を確認。現地で携帯の電波も見る

写真の広角レンズは、時として不動産業界で最も働き者です。ベッドが置けそう、ではなく、置いた後に人間が通れるかまで確認しましょう。特にキッチン周りの冷蔵庫を置くスペースなどはやたら小さいこともありますので、巻き尺(Tape measure)を持参すると便利です。撮影は担当者の許可を取り、入居者の私物や顔をむやみに写さない配慮も必要です。

インスペクションで聞いておきたい質問

  • When is the property available, and what lease term is preferred?(入居可能日と希望契約期間は?)
  • How do I apply?(申込方法は?)
  • Are there any known moisture, mould or water-leak issues?(湿気・カビ・漏水の問題は?)
  • Will these repairs be completed before the tenancy starts?(この修理は入居前に終わりますか?)
  • Which utilities are included?(含まれる光熱費はありますか?)
  • Who maintains the garden or pool?(庭やプールは誰が管理しますか?)
  • Is the parking space included, and are there any strata by-laws I should know?(駐車場は含まれますか?建物の管理規約は?)

その場ですべて質問できなければ、重要な点をメールで確認します。修理・設備・費用の約束は書面に残すこと。「たぶん大丈夫」は、契約書の条項ではありません。ペットがいる場合も隠さず、現行の承諾手続きと建物の規約を確認しましょう。

希望契約期間/継続入居可能期間には注意が必要です。最低1年が普通ですが、オーナーの都合で3か月~6カ月のみの貸し出しとかいう物件もあったりします。そういう物件は条件に対して相場よりかなり安かったりします。募集広告をよく見ると 3 months onlyとか書いてあったりします。

料理好き・大家族は、コンロと給湯の方式まで確認する

料理にこだわりがあり、直火や使い慣れた火力調整を重視する人には、ガスコンロの有無は重要な検索条件です。大人数の料理をする家庭は、大きな鍋が置けるか、複数口を同時に使えるか、換気扇が十分かも見ましょう。掲載の「gas」だけでは、コンロなのか給湯なのか暖房なのかわかりません。

ただし電気式にも違いがあります。古い電熱・セラミック式とIH(induction)は使い勝手が異なり、IHは加熱が速い選択肢ですが電磁波が強いです。自分の調理法、鍋との相性などで判断してください。ガスなら都市ガスかLPGボンベか、ボンベなら供給・交換費用も確認しましょう。参考:豪州政府のコンロ・電化案内

電気タンク式のお湯は、家族全員分あるとは限らない

給湯には、温めたお湯をタンクにためるstorage(貯湯式)と、使うときに温めるinstantaneous/continuous flow(瞬間式)があります。電気タンク式では、連続シャワーや浴槽への湯張りなどで使い切ると、再加熱まで待つことがあります。とくにoff-peak/controlled loadの時間帯だけ加熱する設定では、すぐにお湯が戻るとは限りません。

家族でシャワーを浴びる最後の一人が「自分だけ滝行コース」を引き当てないために、タンクの大きさだけでなく、加熱方式と生活パターンを確認します。ガスにもタンク式があります。お風呂に湯をはったり、シャワーが長いなら、ガス瞬間式が必須です。

タンクの表示容量が、そのままシャワーで使えるお湯の量になるわけではありません。水と混ぜる割合、季節、シャワーの流量、使用時間でも変わります。型番や容量表示を担当者の許可を得て確認し、不明なら仕様を問い合わせましょう。給湯器のカバーや電気盤を自分で開ける必要はありません。参考:豪州政府の給湯方式ガイド

光熱費は機器の種類と料金契約をセットで見る

ガスは使用量に加えて供給の基本料金、LPGならボンベ関連費用がかかる場合があります。電気も料金プラン・機器効率で負担が変わり、ヒートポンプは従来型の電気抵抗式と別物です。オール電化を一律に不利と考えず、給湯能力と総費用を比較しましょう。太陽光パネル付きでも、契約上その恩恵を受けられるかは確認が必要です。

家だけでなく近所も内見する:土曜の15分ではわからない

気になる家は、敷地の外も実際に歩いてみましょう。駅やバス停、スーパーまでの道、坂、歩道、横断歩道、夜の照明、駐車のしやすさを確認します。「駅徒歩10分」は、平坦な10分と、買物袋を持った登山の10分では別競技です。

  • 時間を変える:平日朝夕の通勤時間、夕方や夜、可能なら週末にも再訪
  • 音:幹線道路、大型車、鉄道、飛行機、飲食店、スポーツ施設、学校、共用設備など
  • 臭い・空気:交通、近隣の事業所、飲食店の排気、ゴミ置場等。風向きや曜日で変わる
  • 近隣工事:隣地の工事看板や空地を確認。将来の騒音・粉じん・日照変化を調べる
  • 住戸の位置:ゴミ集積所、搬入口、エレベーター、共用ドア、室外機のすぐ隣か
  • 駐車・アクセス:専用区画の寸法、車高制限、来客駐車、通勤時間の出入り
  • 子どもの動線:交通量、横断箇所、坂、送迎の混雑。学校の通学区域は公式情報で確認

建物内では許可を得て窓を開閉し、音の違いを確かめます。静かな時間の内見だけで毎日の静けさまでは判断できません。近所の人と自然に話せる機会があれば、交通や工事等を聞くのも参考になりますが、私有地への立入りや住民の撮影は避けましょう。地域名だけで治安や住民を決めつけず、実際の道と必要な公的情報で判断します。

地図と公的情報で、工事・災害・飛行機のルートも確認

地図・航空写真・Street Viewは、道路、線路、商業施設、地形を把握する入口になります。ただし撮影日は古い場合があり、現在の状態は現地で照合します。NSWでは次のような公式情報も使えます。

  • 工事・開発計画:地元CouncilのDA trackerやNSW Planning PortalのApplication Trackerで、住所・近隣道路を検索。資料の日付・審査状況を確認する
  • 土地・災害:NSW Planning Portal Spatial ViewerやCouncilの洪水・山火事等の地図を確認。表示や更新範囲は異なるので、気になる点はCouncilへ照会する
  • 飛行機:Airservices AustraliaのWebTrakで、対応空港周辺の実際の飛行経路や履歴を調べる。経路は風向き等で変わるので一日だけで判断しない

環境上の懸念があれば、Councilや州の環境当局の情報も確認し、担当者へ書面で質問します。マップに色がないことだけで洪水等のリスクがゼロとは言えず、古い履歴があるだけで今も問題があるとも言えません。家の写真・公的情報・現地の確認を組み合わせることが大切です。

住み始めてから困りやすい、最後の確認

冷房はリビングだけで寝室にない、駐車場は小型車向け、洗濯機は置けるが扉が開かない、ネットは接続可能でも開通工事が必要——こうした点は広告の大きな文字に出てきません。網戸、遮熱、換気、携帯電波、家具の搬入経路、建物の引越予約ルールも確認しましょう。気になる点を一覧にして聞けば、「素敵なキッチンを見て全部忘れた」という内見あるあるを減らせます。

アパートによっては引っ越しのルールが厳しく、トラックを停める場所から部屋まで10分くらいかかってしまうケースもあります。そうなると、引っ越しに時間が掛かり、引っ越し業者に払う料金も増します。

気に入った家は即申込。ただし、確認まで省略しない

条件が合い、疑問も確認できたら、できるだけ当日中に申込を完成させましょう。速さだけで決まるわけではありませんが、準備の整った申込なら担当者も審査を進めやすくなります。「気に入ったので週末にゆっくり考えます」と言った週末、別の人がそこで暮らす準備を始めていることもあります。

公開内見の前に、先の個別内見や既存の申込などで決まる物件もあります。気になる家に内見予定がなければ、今も募集中か、早い内見や申込が可能か問い合わせてください。自分が予約した内見日まで、物件が待ってくれるとは限りません。

事前申込を受け付ける場合もありますが、申込受付と契約成立は別です。できるだけ内見してから判断し、遠方なら信頼できる代理人による内見やライブ動画で確認しましょう。室内を見る機会がなくても、可能なら現地へ足を運び、外観や周辺環境だけでも確かめておきたいところです。ただし、外から見るだけでは、室内の傷みやカビ、設備の状態まではわかりません。

一方、絶好のロケーションにある割安な物件などは、内見せずに申し込む人もいて、確認を待つ間に決まってしまう場合があります。スピードと慎重さの兼ね合いが難しいところですが、事前に書類を準備し、確認できた情報をもとに素早く動くことが大切です。運が左右する場面はあっても、契約相手や支払先の確認まで運任せにしないようにしましょう。

賃貸の申込方法:サイト経由と不動産会社指定ポータル

物件のApplyから進みます。realestate.com.auではアカウントとRenter Profileを使って申込できます。一方、Domain等の掲載から不動産会社が利用するSnugやInspect Real Estateなどへ移る場合もあります。案内された正規の申込経路を使い、内見時のQRコードや確認コードがある場合はそれも確認してください。

参考:realestate.com.auの申込手順/Domainの外部申込連携

先に用意しておくと慌てない書類

以下は求められることがある資料の例です。すべてを必ず提出するという意味ではありません。物件・管理会社・申込システムで違い、州のルールも変わります。本人確認の「100 points」も豪州全物件の統一ルールだと思わず、指定を確認しましょう。

  • 本人確認:パスポート、運転免許証など、受け付ける書類を確認
  • 収入・支払能力:給与明細、雇用証明、必要に応じた残高資料など
  • 自営業:事業の収入資料、会計士のレター等、受け付け可能な代替資料を相談
  • 居住歴:過去の住所・期間、家主や管理会社の連絡先
  • 支払履歴:取得できればRental ledger(家賃支払明細)
  • 推薦者:事前に承諾を得た勤務先や過去の管理会社など
  • 同居者・希望条件:契約者と居住者、入居希望日、契約期間、ペット等を正確に記載

豪州での賃貸歴がない人は、日本の居住歴や勤務先資料など何を代わりに受け付けるか聞きます。学生・ワーホリ・渡豪直後でも、空欄を放置するより事情と支払原資を整理して伝える方が審査しやすくなります。書類を盛る必要はありません。収入も職歴も、写真の部屋と違って広角にできません。

推薦者には「賃貸申込の確認連絡が届くかもしれない」と先に伝えます。共同契約者がいる場合は、招待メールから各自の入力を済ませ、全員分が完了しているか確認。最後に送信完了メールや画面を保存します。「プロフィール完成」で止まっていないかも重要です。履歴書は書いたが、会社には送っていない状態を避けましょう。

個人情報は、求められたら何でも丸ごと送るものではない

正規の会社とURLを確認し、必要な範囲・利用目的・保管方針を確かめます。銀行明細を送るときは、審査に不要な日々の買物・送金先・取引内容などを黒塗り(墨消し)してから提出しましょう。NSW Fair Tradingも、給与明細の代わりに貯蓄を示す銀行明細を出す場合、日々の取引履歴を隠すことを勧めています。

残高の証明なら名義・発行日・必要な残高、収入の証明なら必要な入金など、確認に必要な部分は残します。どこまで必要か不明なら提出先に確認してください。PDFに黒い図形を重ねるだけでは、下の文字がコピーできる場合があります。正式な墨消し機能で削除し、保存後に文字の検索やコピーで隠した情報が復元できないか確認。元データは手元に保管します。

パスポート等の本人確認書類は、銀行明細と同じ感覚で必要項目まで加工しないでください。なお、毎日の買物履歴は自己PRではありません。「家賃は払えます」の証明に、先週の深夜のお菓子まで参加させる必要はありません。参考:NSWの申込・銀行明細の取扱指針

NSWでは申込の個人情報保護や標準申込書に関する新制度が準備されていますが、政府発表では開始は2027年初めの見込みです。この記事では、まだ全社共通の申込書が導入済みとは扱いません。参考:NSWの申込情報取扱指針/申込制度改革の政府発表

家探しオーディションで伝えるのは「安心して貸せる理由」

選考基準は物件や貸主で異なり、必勝法はありません。できるのは、家賃を支払えること、住み方が物件に合うこと、連絡が取れることを、確認しやすい形で伝えることです。内見で大家役を感動させる長編スピーチを始める必要はありません。後ろの人もキッチンを見たいのです。

  • 申込内容・添付資料に矛盾や不足を残さない
  • 家賃支払実績と収入資料を整理する
  • 入居日・契約期間の希望をはっきり伝える
  • 連絡には早めに返し、追加確認に対応する
  • 自己紹介は短く具体的に。物件を選んだ理由と生活習慣を伝える
  • 申込後は担当者の案内に沿って確認し、連続電話や毎日の催促は控える

土足禁止・きれいに使う習慣は、具体的なアピールになる

「私たちは日本人なので安心です」だけでは、暮らし方の証拠になりません。一方で、室内では靴を脱ぐ、こまめに掃除する、不具合は早く報告する、家賃を期日どおり払ってきたという説明は、物件をどう扱う人か伝わります。日本人家庭として紹介しつつ、国籍より実際の習慣を中心に書くのが効果的です。

たとえば、事実に合わせて次のように書けます。

We are a Japanese household looking for a long-term home. We maintain a shoes-off home, clean regularly and report maintenance issues promptly. We have a record of paying rent on time and can provide references from our previous property manager. We particularly like this property because [reason]. Our preferred move-in date is [date].

「私たちは長く住める家を探している日本人世帯です。室内では靴を脱ぎ、定期的に清掃し、修繕が必要な点は速やかに報告します。家賃を期日どおり支払ってきた実績があり、前の管理会社からの推薦も提出できます。この家の[理由]を気に入っています。入居希望日は[日付]です。」という内容です。実績や推薦がない部分は削除・変更してください。

土足禁止は床への配慮を伝える材料です。ただし、それだけで合格が約束されるわけではありません。「靴は脱ぎますが家賃も脱落します」では困るので、支払能力の説明とセットにしましょう。

家賃の上乗せ合戦を、標準攻略法にしない

NSWでは貸主・不動産会社・申込サービスが、広告家賃より高い額を申し出るよう勧めたり求めたりすることは禁止されています。借主が自発的に高い額を提示する場合とは区別されますが、この記事では値上げ競争をおすすめしません。予算を守り、まず申込の完成度と条件の適合を上げましょう。参考:NSWの広告・rent biddingルール

承認されたら、契約と初期費用を落ち着いて確認

承認の連絡が来たら、家賃、住所、入居日、契約期間、居住者、設備・駐車場、修理の約束、追加条件を確認します。修理は「入居してから相談」ではなく、何をいつまでに直すか書面に残しましょう。契約書、Tenant information statement、コンディションレポート、該当する建物のby-lawsも確認します。

NSWの一般的な住宅賃貸では、ボンドは家賃4週間分まで、前払い家賃は2週間分までです。Holding fee(物件を一時的に確保する費用)は承認後に請求でき、1週間分が上限。契約すれば家賃に充当され、撤回時の返還は事情と規定によります。ボンドと同じ意味ではありません。

週$800なら、ボンド最大$3,200と前払い家賃最大$1,600で計$4,800が一つの目安です。Holding feeをすでに払っていれば、家賃への充当を確認して二重計算を防ぎます。さらに引越費用や旧居との家賃重複も見込みましょう。合格発表のあとに、財布の実技試験があります。

NSWでは内見・申込・身元調査・契約準備などの追加手数料を借主に請求することは認められていません。「審査を有利にする有料サービス」を必須と思って購入せず、無料の正式な申込経路を確認してください。参考:NSWの契約・入居手続き/NSWの申込時費用の指針

入居までに払うお金の一覧:家賃と手数料を分ける

以下はNSWの一般的な住宅賃貸の整理です。すべてが別々に加算されるわけではありません。

項目金額の目安・上限ポイント
Holding fee承認後、家賃1週間分まで契約すれば家賃に充当。前払い家賃と二重に足さない
ボンド家賃4週間分まで家賃とは別の保証金。正式な預託を確認
前払い家賃請求できるのは2週間分までその期間の家賃。返還される保証金ではない
貸主側の申込・審査・契約準備料借主に請求不可初回の鍵、身元調査等の追加料金も区別して確認
引越し・通信等の実費利用内容により異なる引越業者、必要な接続費、旧居との家賃重複など
任意で依頼する家探し代行会社・契約により異なる依頼する場合のみ。賃貸契約自体の必須費用ではない

例:週$800で、ボンド4週間分と前払い家賃2週間分なら計$4,800。先にHolding feeとして$800を払い、それが最初の2週間の家賃へ充当される場合、残りは$4,000です。Holding feeを足して$5,600と数えないようにしましょう。通常の短期・1年程度の契約とは別に、3年を超える固定期間の契約では登記費用が関係する場合もあります。

家探し代行を頼むと、そのサービスの料金が加わる場合がある

渡豪前の物件探し、代理内見、英語での連絡や申込支援を第三者のリロケーション会社・家探し代行へ任意に依頼すると、別途サービス料金がかかる場合があります。料金は定額・時間制・成功報酬など契約によって違うため、業務範囲、GST、追加料金、返金・キャンセル条件を先に確認してください。

自分でDomainやrealestate.com.auから探し、内見して正式な申込をすれば、この代行サービス料を払う必要はありません。掲載物件の管理会社へ直接申し込むことと、自分のための有料代行を別途雇うことは別です。貸主側の通常の募集・申込手続きを「仲介料」と言い換えて借主に請求してよいわけではありません。

時間や言語の面で助けが必要なら代行に価値はありますが、「豪州では借主が必ず仲介手数料を払う」という決まりはありません。参考:NSWの入居時費用

ボンドは「不動産屋に渡して終わり」にしない

Bond(ボンド)は賃貸の保証金です。NSWではRental Bonds Online(RBO)でNSW Fair Tradingへ直接納める方法があり、貸主・管理会社は受領前にこの方法を案内する必要があります。招待を受けて登録し、物件・金額・支払先を確かめて手続きし、番号と記録を保存します。

直接管理会社等へ払う方法を選ぶ場合も、領収書と正式な預託を確認しましょう。メールで口座変更を告げられたら、既知の電話番号へ別途確認。メールの中の番号だけを信用しないことが大切です。参考:Service NSW:ボンドの預託・管理

NSWでは2026年8月からSmart Rental Bondsも導入されています。転居時に既存ボンドの移行制度を利用できる場合がありますが、全員が自動的に使えるわけではないため、対象条件と手順を公式案内で確認してください。参考:NSW賃貸法・制度の変更

大家と直接契約する場合の注意点:ボンドは大家の貯金ではない

Facebook MarketplaceやGumtreeなどで、管理会社を通さず大家と直接やり取りすることもあります。連絡が早く柔軟に相談できる場合もありますが、相手の身元、貸す権限、契約、支払記録を自分で確かめる必要があります。大家直だから通常の住宅賃貸のルールがなくなるわけではありません。

契約前に確認すること

相手の氏名・連絡先と契約書の貸主名を照合し、所有者または正当に貸す権限を持つ人か確認します。必要に応じて所有情報や委任関係を確かめ、鍵を持っているだけで本人と決めつけないこと。貸主名と振込名義が違う場合も理由を確認してください。

契約には住所、貸す範囲、家賃、支払周期、入居日、期間、ボンド、含まれる光熱費、修理連絡先などを記載し、署名済みの控えを受け取ります。口約束やDMの「大丈夫ですよ」だけで済ませず、入居時のコンディションレポートも作成しましょう。大家が近所のいい人でも、数年後に同じ記憶を共有している保証はありません。

NSWの通常の住宅賃貸なら、大家直でもボンドの正式預託が必要

「不動産屋を使っていないので、ボンドは私の口座で預かります」は、NSWの一般的な住宅賃貸では認められる扱いではありません。ボンドは家賃4週間分が上限で、NSW Fair Tradingへの預託が必要です。大家が自分の口座に置き続けたり、「自分を信用して」と正式手続きを省略したりしてよいお金ではありません。

自己管理する大家にも、Rental Bonds Online(RBO)を借主に最初の選択肢として案内する義務があります。大家から正規の招待を受け、住所と金額を確認して、借主からFair Tradingへ直接支払う方法を使えます。大家が「RBOを知らない」と言う場合は公式案内を共有し、手続きを整えてもらいましょう。ただし、借主にRBO利用を強制することはできず、紙の方法もあります。参考:NSW:自己管理する大家のRBO手続き

紙の手続きで大家に直接ボンドを支払う場合、受領できるのは借主が契約に署名した後です。領収書または支払を記載した契約書の控えを受け取り、預託を確認します。一括で大家に払った通常のボンドは、支払後10営業日以内の預託が原則です。分割払い等は扱いが異なるため確認してください。参考:Service NSW:大家の預託方法/Tenants’ Unionのボンドガイド

「振込済み」と「預託済み」は別。番号まで確認する

大家への振込明細は、大家に払った証拠です。Fair Tradingへ預託された証拠とは別なので、正式な預託通知・ボンド番号・登録内容を確認し、金額、物件住所、借主名に誤りがないか見ます。大家から送られた画像だけで不安なら、Fair Tradingへ直接確認しましょう。

預託が確認できないときは、大家に書面で番号と預託状況を問い合わせ、支払記録と返答を保存してFair Tradingや地域の借主相談窓口へ相談します。ボンドを二重に払ったり、対抗措置として勝手に家賃を止めたりしないこと。退去時も返還額が空欄の書類には署名せず、差引きの理由と証拠を確認します。ボンドは大家さんとの友情を証明する献金ではありません。

「大家直」に見えても、シェア・転貸・下宿は契約の種類を確認

募集相手が家の所有者とは限らず、元の借主が部屋を貸すhead tenant(主たる借主)の場合もあります。NSWでは転貸には原則として所有者側の書面同意が必要です。契約相手は誰か、正式な共同借主か転借人か、単なる同居者かを確認してください。

大家と同居するboarder/lodgerなどは、通常の住宅賃貸と同じ法律・ボンド手続きにならない場合があります。「部屋を借りるなら全部RBO」「大家直なら全部RBO不要」のどちらも誤りです。金銭の保管先、返還条件、退去通知、領収書を確認し、区分がわからなければ支払前に相談しましょう。参考:NSW:シェア・転貸の種類/NSW:boarding houseの契約

入居時のコンディションレポートは、未来の自分への弁護資料

鍵を受け取ると、家具を置き、Wi-Fiをつなぎ、ひとまず寝たくなります。その前にCondition report(入居時の状態記録)です。NSWでは、借主は物件の引渡しを受けてから7日以内に自分の確認内容を記入して返し、控えを保管します。

管理会社の「Clean・Undamaged・Working」に全部YESが付いていても、自分の目で確かめます。違う点は具体的に訂正・追記し、日付のわかる写真・動画と対応させます。「少し古い」ではなく「寝室北側の窓枠に黒い点状の汚れ、塗装剥がれ」のように場所と状態を記録しましょう。

  • 各部屋の全景と、床・壁・天井・扉・窓の傷や汚れ
  • カーペットの染み、フローリングの傷、カーテン・ブラインドの破損
  • カビ、湿気、結露や漏水の跡、気になる臭い
  • オーブン・コンロ・換気扇・食洗機などの清潔さと作動状態
  • 水回り、照明、鍵、リモコン、備付品の状態
  • メーターが確認できる場合の記録、受け取った鍵や機器の数

全景だけでは小傷がわからず、接写だけではどこの傷かわかりません。全景→場所がわかる中距離→傷の接写で残し、元データと提出記録を保存します。オンラインフォームなら期限前に書き出しや控えを確保。記録を残しただけで修理依頼を済ませたことにはならないので、不具合は別途メールでも報告します。

ここで急に、壁の小傷を撮る専門フォトグラファーになります。映えはゼロ。退去時の効力は大きい。「前からありました」を、「こちらが入居日の記録です」に変える作業です。参考:NSWのコンディションレポート

入居中は、きれいに使う+早く知らせる+記録を残す

日頃の掃除に加え、水漏れ・カビ・設備故障を早めに書面報告します。換気や結露対策は行いつつ、建物の不具合まで自分の責任と決めつけないこと。危険や緊急の修理は、契約に記載された緊急連絡先とNSWの手順に沿って対応します。

点検、家賃支払、修理依頼と返答の記録は一か所へ。庭・プール等は契約上の担当を確認し、壁への穴あけや設備変更は必要な承諾を得ます。定期点検の前夜だけ家をモデルルームにしても、水漏れを半年育てていたら意味がありません。

退去は、荷物を出したら終了ではない

退去通知は、期限と書面が大事

契約満了だから何もせず出てよいとは限りません。NSWで借主から通常の退去通知をする場合、固定期間の満了に合わせる退去は原則14日前、期間の定めがない契約は原則21日前が最低通知期間です。通知の理由・契約種類・送達方法で変わるため、実際の期限と有効な通知方法を確認しましょう。

固定期間の途中で退去する場合は、break leaseの費用や例外規定が別に関係します。「次の家が決まりました!」だけで旧居の支払義務が消えるわけではありません。書面で退去日を伝え、受領を確認し、最終家賃・鍵の返却日・最終点検を調整します。参考:NSWの最低通知期間

清掃と最終点検:新品に戻す大会ではない

入居時レポートと写真を見ながら、キッチン、オーブン、換気扇、浴室、収納、床、窓まわり、屋外などを確認。私物とゴミを撤去し、鍵・リモコンを数えて返却します。業者へ清掃を頼むなら範囲と再対応条件を確認し、領収書を保存します。

NSWでは通常使用によるfair wear and tear(通常の損耗・経年変化)と、借主が生じさせた損傷を区別します。退去時の状態は入居時と比べて判断されるため、新築同様に戻すのが当然という話ではありません。専門清掃が常に一律必須とも考えず、適法な条件やペットに関する条件を含め、契約と公式案内を確認してください。

できれば最終点検に立ち会い、清掃後・引渡し直前の全景と細部を撮影。鍵返却の証拠も残します。「とてもきれいですね」という口頭の一言はうれしいですが、写真と記録にも働いてもらいましょう。

ボンド返還まで終わって、家探しオーディション閉幕

NSWでは賃貸終了後、条件を整えれば借主からRBOで返還請求できます。貸主の手続きをただ待つ必要はありません。差引きに同意する前に、理由・証拠・請求額を確認してください。NSWの返還手続きには相手方が異議を出せる14日間の扱いがあり、通知を放置しないことが大切です。

争いになったら入居時と退去時の記録を照合し、合意できなければTenants Advice and Advocacy ServiceやNSW Fair Trading等に相談を。必要に応じてNCAT(NSWの民事・行政審判所)の手続きになります。参考:NSWのボンド返還案内

最後に:選ばれる準備と、自分が選ぶ視点を両方持つ

検索通知、書類の準備、内見登録、当日の申込。この流れを先に作れば、気に入った家に出会ったとき動きやすくなります。ただし、選ばれたいあまり、カビや不具合、無理な家賃、曖昧な契約を見逃さないこと。こちらも、そこで毎日暮らす家を選んでいます。

そして入居できたら、ボンドの預託とコンディションレポートまできっちり。オーディションに受かって終わりではなく、退去時に保証金を取り戻すところまでが長い公演です。なお、最高の特技は歌でもダンスでもありません。必要な書類が、全部そろっていることです。

-生活
-,

error: Content is protected !!